「面倒だけどやるべきこと」を習慣化する方法をかわいらしいアニメで分かりやすく解説したムービー
運動や英語の習得、読書などのいい習慣を身につけようと思っても、気がついたらスマートフォンをいじっていたという経験がある人は多いはず。一念発起して挑戦してみてもなかなか続かなかった目標が苦もなく続けられるようになるポイントを、YouTubeチャンネルのKurzgesagtがアニメーションで解説しています。
Change Your Life – One Tiny Step at a Time - YouTube
多くの人は、今の自分となりたい自分の間のギャップを抱えています。定期的なトレーニング、健康的な食生活、語学の習得、小説の執筆、読書などを趣味にしたいと思っていても、ついネット掲示板などを眺めて時間を浪費してしまいます。
インターネット上にあふれているサクセスストーリーや啓発本を信じるなら、それらの失敗は全部自分のせいということになります。変化は難しいように思えますが、その理由を理解すればより簡単になります。それを明かしていくのが、このムービーの目的です。
Kurzgesagtは、何かを決断することの難しさを、うっそうとしたジャングルを歩くことに例えています。
脳はエネルギーの浪費を嫌うので、楽をしようとします。
そうして見つけた道は、通りやすい獣道として脳に記憶されます。
何度も通るにつれて草が踏みならされると、獣道はやがて小道になり……
スムーズに駆け抜けられる舗装された道路になります。
これが、気がつくとあまり実益にならない暇つぶしに時間を浪費してしまう理由です。
ジャングルの中に道ができるメカニズムを知るには、「ルーティン」と「習慣」という2つの要素を区別する必要があります。
ルーティンは、自分にとっていいと感じるので毎回同じように実行する一連の動作です。例えば、好きな料理のための同じ材料をそろえて同じ手順で作るのは、自分がそれを食べたいから。
毎晩寝る前にアラームをセットするのも、その時間に起きたいからです。
このルーティンは頭の中にいる「賢明なプランナー」が考えています。
賢明なプランナーは、未来を意識し、どんな結果を望んでいるのかを慎重に検討しながら、1つ1つの動作を組み立てていきます。例えば、PCの電源ケーブルをコンセントに接続し、PCの電源を入れ、メールサービスにログインし、メールアプリを開くといった具合です。
こうして作られたルーティンは、やがて「習慣」になります。メールをするのに特に手順を考えないのと同様に、習慣は何も考えずに実行される行動であり、また自分にとって好ましいことなので脳にも報酬として感じられます。これが、習慣が半ば自動的に行われる理由です。
習慣のポイントは、何らかのトリガーによって開始されるということです。
例えば、車に乗るというトリガーで何も考えずにシートベルトを締めるのも……
行きつけのコーヒーショップでコーヒーを買うというトリガーで、特にお腹がすいているわけでもないのにクッキーを買うのも、それが習慣になっているからだと言えます。
ルーティンが賢明なプランナーの仕事なら、習慣は自分の中にいる小さな子どもの担当です。
子どもは衝動的で、将来のことを考えるのも大変なことをするのも嫌いです。
子どもはことあるごとに見慣れた安易な道に進むよう仕向けます。
コーヒーを買うときについクッキーも注文してしまうのは、それが毎朝の習慣だからです。
クッキーはおいしいし、ネットサーフィンはおもしろいので、つい繰り返してしまいます。こうして、悪い習慣が根付いてしまいます。
こうして見ると、子どもが悪者に思えるかもしれませんが、実は賢明なプランナーと同じくらい大切な存在です。
なぜなら、日常生活のあらゆる行動を賢明なプランナーに任せていたらエネルギーがかかりすぎるので、反復的な作業を習慣化して子どもにアウトソーシングする必要があるからです。
いい習慣を身につけたいと思った時にも、この省エネのメカニズムが役立ちます。つまり、まずは賢明なプランナーにルーティンを作ってもらい、子どもに簡単で無理なくできるよう習慣化してもらうというわけです。
具体的な方法は次の通り。まず、健康になるために体を鍛えたいと思ったとします。
体を鍛えるという目標は漠然としているので、例えば「毎朝8時になったらスクワットを10回やる」といった具合に小さなルーティンに分解します。この場合、「8時になる」という条件が前述のトリガーとなります。
ルーティンにトリガーを設定し、何も考えずにやれる習慣にすることで、同じスクワット10回でも面倒ごとではなく一日の一部になります。
とはいえ、習慣化したいことの多くは簡単なものではありません。そのため、自分の中の子どもでもできるように、それ自体を楽しいものにするのがコツです。
例えば、トレーニングの最中にお気に入りのポッドキャストを聞くことにしたり……
Civilizationで次のラウンドが始まるのを待つ間に家計簿をつけたりといった具合です。
物事が習慣化するのにかかる時間は一様ではなく、15日間で身につくこともあれば250日間かかることもあるとのこと。
Kurzgesagtはいい習慣を身につけるポイントについて、「毎日続けるのは大変なことですが、続けていけばだんだん楽になります。自分を変えるための道に近道はありません。しかし、習慣の科学は年齢にかかわらずそれが不可能ではないということを教えてくれます」とまとめました。
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