ウクライナがエネルギー施設へのサイバー攻撃をESETとMicrosoftの助けを借りて阻止、マルウェア「Industroyer」の亜種を確認
ウクライナ当局が、セキュリティ企業・ESETとMicrosoftの研究者の協力によって、エネルギー施設に対するサイバー攻撃を防いだことを発表しました。この攻撃において、かつてウクライナに大規模な停電を引き起こしたマルウェア「Industroyer」の亜種が発見されています。
@_CERT_UA under the @dsszzi reported a #Sandworm (UAC-0082) #cyberattack on Ukraine’s energy infrastructure suing #Industroyer2 and #CaddyWiper malware.
— SSSCIP Ukraine (@dsszzi) April 12, 2022
The attackers attempted to take down several infrastructure components of their target, namely: (1/5) #cyberwar#WARINUKRAINE
CERT-UA - Кібератака групи Sandworm (UAC-0082) на об’єкти енергетики України з використанням шкідливих програм INDUSTROYER2 та CADDYWIPER (CERT-UA#4435)
https://cert.gov.ua/article/39518
Industroyer2: Industroyer reloaded | WeLiveSecurity
https://www.welivesecurity.com/2022/04/12/industroyer2-industroyer-reloaded/
Researchers find new malware variant after stopping attack on Ukrainian energy provider - The Record by Recorded Future
https://therecord.media/researchers-find-new-malware-variant-after-stopping-attack-on-ukrainian-energy-provider/
ウクライナ・コンピューター緊急対応チーム(CERT-UA)によると、攻撃は高圧変電所やエネルギー関連施設のコンピューター、ネットワーク機器、LinuxOSで動くサーバー機器など、複数のインフラストラクチャーを対象にしたもので、最初の攻撃は遅くとも2022年2月までに行われたとのこと。2022年4月8日に予定されていた変電所の切り離し攻撃は防いだそうです。
ESETによれば、攻撃者がどのように最初の被害者に対する侵害を行ったのか、またITネットワークから産業制御システムネットワークに移動できたのかは不明。CERT-UAは「SSHトンネルのチェーンを作成することで、異なるネットワークセグメント間を横断移動した」と説明しています。
この攻撃では、2016年にウクライナで大規模停電を引き起こしたマルウェア「Industroyer」の亜種「Industroyer2」が見つかっています。
ロシアによるウクライナ侵攻に前後してワイパー型マルウェア「CaddyWiper」の使用が複数回確認されており、ESETは、Industroyer2の使用がウクライナのさまざまなセクターを対象にした複数波のワイパー攻撃に続くものであるとの認識を示しています。
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