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秘密保持契約書の雛形を作成できる「oneNDA」


企業が自社の機密情報を相手方に開示する際、情報の漏えいや不正利用を防ぐ秘密保持契約(NDA)を結ぶことがあります。このNDAを標準化するプロジェクトにより作成された、秘密保持契約書の雛形を作成できるサイトが「oneNDA」です。

oneNDA
https://onenda.org/

oneNDAにアクセスすると以下のような画面が表示されます。「Download」で雛形のダウンロードおよび編集、「Adopt」でコミュニティへの参加、「Create」で雛形の作成およびダウンロードが可能。「Download」と「Create」は手順が異なるだけでできることは同じなので、今回は雛形作成のため「Download」をクリックします。


画面中央の「Download」をクリック。


メールアドレスと企業名を入力。従業員数、業種、地域は適切なものを選択し、「Get oneNDA」をクリックします。なお、ここで入力した情報はNDAの内容には影響しません。


すると、以下のようなPDFファイルがダウンロードされます。1ページ目にはoneNDAの情報が書かれています。


秘密保持契約書に当たる部分は2ページ目と3ページ目。2ページ目が以下で「Party 1」と「Party 2」へ、それぞれ上から「法人の詳細」「メールアドレス」「署名」「名前」「役職名」を記入する欄が設けられており、「署名」以外、青背景の部分にはPDF上で入力が可能です。ここに契約を結ぶ当事者両名の情報を記入します。


さらにその下へ「Purpose(目的)」「Confidentiality period(秘密保持期間)」「Governing law(準拠法)」「Jurisdiction(裁判管轄)」を記入します。


そして、右上のダウンロードボタンをクリックして「変更後のバージョン」をクリックすれば、入力した内容でダウンロードできます。


なお、「TERMS(条項)」に書かれた内容は以下の通りです。

1.機密情報とは?
(a)機密情報とは、以下により開示された情報を意味する。
(i)本契約の当事者(開示者)により、または開示者の代理人により、または開示者の関連会社により開示された情報。
(ii)本契約の相手方(受領者)に対するものであること。
(iii)目的に関連すること。

(b)機密情報には、以下の情報は含まれない。
(i)本契約に違反しない公知のもの。
(ii)開示の時点で受領者が知っていたもの。
(iii)受領者が第三者から合法的に取得したもの。
(iv)受領者が独自に開発したもの。
(v)秘密でないことが開示者によって明示的に示されたもの。

(c)関連会社とは、直接または間接に、当社によって支配され、当社によって管理されている、もしくは本契約の当事者と共通の支配下にある、またはその他の点で同じグループに属する事業体をいう。

2.誰と共有できるのか?
(a)受領者は、機密情報を許可された受領者(以下「許可受領者」という)と共有することができる。許可受領者とは、関連会社、またはその役員、従業員、メンバー、代表者、専門家、アドバイザー、代理人および下請け業者を意味する。ただし、以下の場合に限る。
(i)目的のために機密情報を知る必要があり、その目的のためにのみそれを使用すること。
(ii)受領者と同程度に機密を保持し、その使用を制限することに同意していること。

(b)受領者は、本契約の違反および許可受領者が本契約の当事者であった場合に本契約の違反となるような行為または不作為について責任を負う。


(c)受領者は、法的に要求された場合、機密情報を共有することができるが、法的に認められている場合、速やかにその旨を開示者に通知すること。

3.私の義務は何か?
受領者は、以下の義務を負う。
(a)機密情報を目的のためにのみ使用すること。

(b)機密情報を安全かつ機密に保管し、本契約で許可された場合にのみ開示すること。

(c)本契約に違反したことを知った場合、速やかに開示者に通知すること。

(d)開示者の要求に従い、保有する機密情報を30日以内に破壊または消去するための合理的な措置を講じること。ただし、受領者は機密情報のコピーを安全に保管できるコンピュータのバックアップシステムに保持することができ、法律で定められた、または規制上の義務を本契約の条項に従って負うものとする。

4.私の義務はいつまで続くのか?
(a)受領者の機密情報保護義務は、機密情報が開示された日に開始され、秘密保持期間の終了まで続く。

(b)いずれの当事者も、30日前に書面で通知することにより、本契約を終了させることができる。ただし、これは通知前に開示された機密情報を保護する両当事者の義務に影響を与えない。

5.その他の重要事項
(a)通知。本契約に基づく正式な通知は、書面により、本契約の前ページに記載されたアドレスに送付しなければならない。本契約の前ページに記載されたアドレスは、当事者が他方に対して書面で提出することにより、更新することができる。

(b)第三者。開示者の関連会社を除き、本契約の当事者以外のいかなる者も、本契約に違反することはできない。本契約は、その条項のいずれかを強制する権利を有する。

(c)完全合意。本契約は、以前のすべての協議および合意に優先し、その主題に関する当事者間の完全な合意を構成するものであり、またいずれの当事者も、本契約を締結するにあたり、いかなる者の陳述または表明にも依拠ていない。

(d)変更。本契約を変更する場合は、書面にて合意する必要がある。

(e)譲渡。いずれの当事者も、相手方の同意なしに無断で本契約を譲渡することはできない。

(f)権利放棄。当事者が本契約に基づく権利を行使しなかった場合でも、その権利を放棄することには値しない。

(g)衡平法上の救済。開示者は、その権利を行使するために、差止命令による救済または特定の履行を求めることができる。

(h)代替的紛争解決。当事者は、本契約に基づき発生した紛争を裁判にかけることができる。両当事者が書面で合意した場合、本契約は、解決のために調停または仲裁に委ねられる。

(i)準拠法および裁判管轄。本契約には準拠法が適用され、すべての紛争は管轄区域の裁判所においてのみ、訴訟が行われるものとする。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1p_kr

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