テレビを1日4時間以上見ると血栓ができるリスクが35%高くなる
新たにイギリス・ブリストル大学の研究チームが「テレビを1日4時間以上視聴する人は、視聴時間が2.5時間未満の人に比べて血栓ができるリスクが35%高くなる」と発表しました。
Television viewing and venous thrombo-embolism: a systematic review and meta-analysis | European Journal of Preventive Cardiology | Oxford Academic
https://academic.oup.com/eurjpc/advance-article/doi/10.1093/eurjpc/zwab220/6511287
Does binge-watching TV increase the risk of “deadly blood clots”? | BHF
https://www.bhf.org.uk/informationsupport/heart-matters-magazine/news/behind-the-headlines/binge-watching-tv-and-blood-clots
TV watching linked with potentially fatal blood clots
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/TV-watching-linked-with-potentially-fatal-blood-clots
新たにブリストル大学のセター・クヌッソー氏が発表した研究は、既存の調査結果を複数統合してから分析するというメタアナリシス分析でテレビの視聴時間と静脈血栓塞栓症の関係を調べるというもの。分析対象となった調査結果はアメリカの調査が2件、日本の調査が1件で、日本の調査に関しては文部科学省の助成を受けて行われた日本人の生活習慣とガンの関係性について調べたJACC Studyの「テレビ視聴時間と肺塞栓症死亡リスクとの関連」という調査が用いられました。
これら3件の調査結果を総計すると、被験者の総数は13万1421人。被験者はいずれも年齢が40歳以上で静脈血栓塞栓症の病歴を持たず、テレビの視聴時間については「毎日どれくらいテレビを見ますか?」といったアンケートに対する回答で分類が行われました。
「1日4時間以上見る」「1日2.5時間も見ない」という2つのグループについて着目したところ、前者は後者に比べて静脈血栓塞栓症を発症するリスクが1.35倍だったとのこと。なお、分析対象となった3つの調査の平均追跡期間は5.1~19.6年で、その間に静脈血栓塞栓症を発症した被験者は964人でした。
分析によると、テレビの視聴時間が静脈血栓塞栓症の発症率に与える影響は年齢・性別・BMIなどとは無関係だったそうで、クヌッソー氏は「何時間もテレビを見続けるというのは血栓の発生に関するリスクの高い行動です」とコメント。ただし、調査対象となった研究はあくまで観察研究であるため、「長時間テレビを視聴する行為が血栓を生む」という因果関係自体については「証明されていない」と断りつつ、「窮屈な姿勢で長時間座り続けて四肢に血液がたまるという状態や、テレビを見続ける最中にスナック菓子を食べる行為はいずれも血栓の可能性を高めます」と推測を述べています。
クヌッソー氏は「私たちの研究結果はテレビの前で過ごす時間を制限する必要があることを示唆しており、長時間テレビを視聴している場合には血行をよくするために体を動かすべきです。一般的に言って、日常生活の中で座っている時間が長い人や仕事でPCの前で長時間座り続けている人はときどき立ち上がって体を動かすようにしましょう」とコメントしています。
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