あの「すみっコぐらし」がテーマのカードゲーム「すみっコぐらし ~ドキドキおしゃべりパーティー!~」はゆるいゲームのはずなのに早撃ちガンマンさながらの緊張感がにじむゲームでした
「電車に乗ればすみっコの席から埋まり、カフェに行ってもできるだけすみっコの席を確保したい……」というちょっぴりネガティブなサンエックスのキャラクター「すみっコぐらし」とトランプの「うすのろ」を組み合わせたというカードゲーム「すみっコぐらし ~ドキドキおしゃべりパーティー!~」が登場します。どのようなゲームになっているのか、編集部で実際にプレイしてみました。
「すみっコぐらし ~ドキドキおしゃべりパーティー!~」発売決定! | slowcurve
https://www.slowcurve.co.jp/news/20211110-1694/
これがすみっコぐらし ~ドキドキおしゃべりパーティー!~のパッケージ。
さむがりのしろくまや自信のないぺんぎん?など、個性豊かなすみっコたちが描かれています。
プレイ目安時間は15分、推奨人数は2~5名、対象年齢は8歳以上。
内容物はこんな感じで、ドキドキカード・おしゃべりカード・すみっコチップ・カードスタンド・説明書が入っています。
ゲームをプレイするにはまず各プレイヤーに1枚ずつ「ドキドキカード」を裏向きに配布。それぞれのプレイヤーは自分に配られたカードの内容を見ないようにしながら、カードスタンドにドキドキカードを立てます。このカードは自分から見ると内容が何もわかりませんが……
相手から見るとNGワードが見えるという仕組み。各プレイヤーは自分に設定されたNGワードがわからない状態で会話を続けて、そのNGワードを言ってしまうと敗北。負けポイントが1つ加算される……という仕組みです。
ドキドキカードに書かれたNGワードは多種多様で「さ行のもの」「4文字のもの」「飛ぶもの」「カタカナ」「上を向く」「同じ言葉を繰り返す」「笑う」など。大まかに分けると、「特定種類の単語を言うとアウト」「特定の行為がアウト」の2種類です。
というわけで、各プレイヤーは自分に割り当てられたNGワードを言わないようにしながら会話するわけですが、その会話のテーマを決めるのが「おしゃべりカード」です。おしゃべりカードは4種あり、お題に該当する答えを順番に発表する「古今東西」、順番にしりとりを続ける「しりとり」、テーマに沿った単語を口パクで表現する「クチパク」、1番手のプレイヤーが他のプレイヤーからの質問に答えていく「教えて!」があります。
このテーマに沿った会話を行い、誰かがNGワードを言った段階でラウンド終了…… というのが基本的な流れですが、このほかにも「すみっコチップ」という終了条件が存在します。各プレイヤーは自分のターンが来ると、発言の前に1枚すみっコチップを引きます。
このチップはすみっコぐらしの各キャラクターに加えて、「アーム」という特殊なチップが混じっています。プレイヤーは両手で「すみっコ」を作り、手を立てた状態をキープ。キャラクターのチップを引いた場合はそのまま手を立てた状態を続けますが、アームのチップを引いた場合……
任意のタイミングで、チップを手で隠すように伏せます。
誰かがチップを隠したら、他のプレイヤーも続けて自分のチップを手で隠し、一番最後までチップを隠せなかったプレイヤーが敗北となります。つまり敗北条件には「NGワードを言う」「チップを隠すのに遅れる」の2種類があるということです。
というわけで、実際にプレイしてみます。今回のプレイに参加したのは4人。それぞれに割り当てられたドキドキカードは、「前の人としりとりになる」「数字」「5文字以上のもの」「手をにぎる」でした。
最初のおしゃべりカードは「クチパク!おかし」。
クチパクカードでは、テーマに沿った単語を口パクで言っていき、他のプレイヤーが当てていきます。
純粋に口パク当てを楽しむこともできますが、「5文字以上のもの」というNGワードをめざとく見つけた編集部員のように「ブラックサンダー」と唱えて、他のプレイヤーにNGワードを言わせることも可能です。
おしゃべりカードが「しりとり」の場合は、各プレイヤーがテーマに沿ったしりとりを続けます。
こちらも続くプレイヤーに対して、NGワードを言わせるのが焦点になります。例えば「ら行のもの」がNGワードに指定されているプレイヤーがいる場合は、前の人が「ら・り・る・れ・ろ」で終わるようなパスを投げてやれば即死攻撃が可能。
一方、「前の人としりとりになる」というNGワードも存在するので、運次第では何もせずとも確実に死ぬというケースも。これを食らった編集部員は「どうあがいても無理じゃん……」とつぶやいていました。
おしゃべりカード「教えて!」は、1番手のプレイヤーが出した回答に対して他のプレイヤーが順番に質問して、1番手のプレイヤーが毎回返答するというもの。今回の1番手は「教えて!好きな本」というお題に対し、「最近、『禍いの科学 正義が愚行に変わるとき』という本を読み進めてて、それが面白いんです」と切り出しました。
このプレイヤーに設定されたNGワードは「数字」。「作者は誰?」「印象に残ったパートは?」などの質問に「タイトルだけで買ったんです」「人類は自ら対してどのように仇をなしてきたかというのがテーマで、例えばアヘンから良い成分を抽出しようとした結果失敗したとかのエピソードが印象に残りました」と返答して華麗にNGワードを回避しましたが……
「どのくらいまで読んだ?」という質問に「毎日ちょっとずつ読み進めてて、今は『3』章を……」と答えてアウト。
基本的に教えて!カードは回答者となる1番手が発言回数が多くかなり不利。「3文字のもの」というNGワードのプレイヤーは「教えて!好きないきもの」に対して「カジカという生き物がございまして……」と進めて即死。「『液体』というNGワードを言わせたかっただけなのに……」とつぶやいていました。
そして前述の「しりとり」「クチパク」「教えて!」は各10枚ずつですが、50枚という圧倒的な枚数を誇るのが「古今東西」カードです。
古今東西の場合、プレイヤーはお題に従って単語を挙げていくのみ。こうなると「相手にNGワードを言わせる」という戦略が基本的に通じなくなるので、ほとんどのゲームが「チップを手を隠す」ほうの敗北条件で決まります。
古今東西自体は説明書に「どうしても答えが出なかった場合などはパスしても構いません」と書かれているほど緩いのですが、すみっコチップの関係で誰かが手を伏せた瞬間に自分も手を伏せなければならないので、必然的に緊張感がみなぎります。本来は和気藹々とした賑やかな雰囲気で行うものだと思うのですが、いい大人が集まってプレイすると古今東西ついでに雑談が発生して盛り上がっても目だけは互いのカードを追いかけている……というような、早撃ちの決闘めいた一触即発の空気がどうやってもにじみます。
実際にプレイしてみると、本気で勝利を目指すのならばNGワードを踏まないように黙っているというのが鉄板になってしまうので、楽しむためにはNGワードの存在は一端忘れ、肩の力を抜いて会話を弾ませるようにしたほうが良いかも、という印象。参加した編集部員の中には「NGワードを踏んだ回数が多い人はコミュニケーションを頑張ったということだから、むしろそちらが真の勝者では」と言う人もいました。
「すみっコぐらし ~ドキドキおしゃべりパーティー!~」は2021年12月9日に発売予定で、価格税込は2420円。Amazon.co.jpで先行予約が可能です。
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