メッシやフェルナンデス大統領を含むアルゼンチン国民のIDカード情報が盗み出される

アルゼンチン国民全員に与えられているIDカードの情報がハッカーにより盗み出されたことがわかりました。盗み出されたデータには著名人のものも多く含まれていることがわかっており、内務省が刑事告訴しています。

El Renaper detectó el uso indebido de una clave otorgada a un organismo público y formalizó una denuncia penal | Argentina.gob.ar
https://www.argentina.gob.ar/noticias/el-renaper-detecto-el-uso-indebido-de-una-clave-otorgada-un-organismo-publico-y-formalizo

Hacker steals government ID database for Argentina's entire population - The Record by Recorded Future
https://therecord.media/hacker-steals-government-id-database-for-argentinas-entire-population/

狙われたのは「Registro Nacional de las Personas(RENAPER)」と呼ばれるIDカードの情報を管理する内務省の機関。データは内務省以外の政府機関からも参照可能なデータベースに保存されており、政府が国民の個人情報を照会する際に利用されていました。

内務省によると、ハッカーは保健省に付与されたパスワードを利用して不正にアクセスを行い、盗み出した情報をSNS上で公開していたとのこと。情報を公開されていたのはアルベルト・フェルナンデス大統領やジャーナリスト、政治家、さらにサッカー界のスーパースターとして知られるリオネル・メッシ選手やセルヒオ・アグエロ選手などです。

今回の情報流出は、あくまでユーザー単位でのパスワードの誤入力か盗難によるもので、RENAPERのデータベースそのものに侵入されたり、データが大規模流出したりした形跡はないとのこと。内務省では政府職員8名が情報流出に関与した可能性があるとして調査を進めています。

なお、ニュースサイト・The RecordはRENAPERのデータベースにアクセスする権利を貸し出していたという人物に接触し、「データのコピーを所有している」との証言を得ています。このハッカーは、侵入のもとになったのが「注意不足の政府職員」であったことを認めた上で、「数日後には100万人～200万人単位のデータを公開することになるかもしれない」と語りました。