YouTubeがAIで偽の映画予告編を作成していた2つの大手チャンネルScreen CultureとKH Studioを閉鎖、合わせて200万人超の登録者数と10億回の視聴回数を誇る人気チャンネル

YouTubeが、AIを使って偽の映画予告編を作成・公開していた2つの有名チャンネルを閉鎖しました。閉鎖された「Screen Culture」と「KH Studio」は、登録者数が合わせて200万人超、再生回数は10億回超という人気チャンネルでした。
YouTube Shuts Down Channels Using AI To Create Fake Movie Trailers
https://deadline.com/2025/12/youtube-terminates-screen-culture-kh-studio-fake-ai-trailer-1236652506/

YouTube bans two popular channels that created fake AI movie trailers - Ars Technica
https://arstechnica.com/google/2025/12/youtube-bans-two-popular-channels-that-created-fake-ai-movie-trailers/
YouTube Terminates 2 Channels Over Fake AI Movie Trailers
https://www.thewrap.com/industry-news/tech/youtube-terminates-screen-culture-kh-studio-over-ai-fake-movie-trailers/
「Screen Culture」と「KH Studio」は、インドおよびジョージアに拠点を置くYouTubeチャンネルです。どちらもAI製の偽予告編を配信しているYouTubeチャンネルで、Screen Cultureは140万人超、KH Studioは68万人超のチャンネル登録者を抱えていました。
Deadlineの調査によると、Screen Cultureは公式映像とAI画像をつなぎ合わせた偽の予告編を作成し、多くのYouTubeユーザーを騙していたことが明らかになっています。Screen Cultureの創設者であるニヒル・P・チャウダリ氏によると、同チャンネルでは12人の編集者がAIを駆使して偽の予告編を作成しており、動画を絶えず修正することでYouTubeのアルゴリズムを悪用していたそうです。
例えば、Screen Cultureは2025年3月までに「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」の予告編を23バージョンも制作しており、そのうちのいくつかはYouTubeの検索結果で公式予告編を上回る視聴回数を記録しました。他にもHBOの新しいハリー・ポッターシリーズやNetflixの「ウェンズデー」といった人気作品の偽予告編も公開されていたそうです。

また、Deadlineの調査により、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーやソニーを含む一部のハリウッドスタジオが、AI製の偽予告編を著作権侵害で削除する代わりに、動画から発生する広告収入を得ていたことが明らかになっていました。
映画会社が勝手にAIで作られた偽予告編を著作権侵害で削除せずに広告収入を得ている事例がある - GIGAZINE

YouTubeはAI製の偽予告編への対策として、2025年3月末にScreen CultureとKH Studioの収益化を停止することを発表しました。
AIを利用した映画の「偽予告編」を投稿している登録者数140万人のYouTubeチャンネルの収益化が停止される - GIGAZINE

収益化停止を受け、これらのチャンネルは動画のタイトルに「ファントレーラー」「パロディ」「コンセプトトレーラー」といった単語を追加することで、配信している動画が本物の予告編とは異なることを明確にしました。これにより、両チャンネルは収益化の再開に成功しています。
しかし、過去数カ月でこれらの収益化対策の単語が再び動画のタイトルから消えてしまっていたため、ファンメイドの予告編などを楽しむコミュニティからは懸念の声が挙がっていました。
そして、YouTubeはついに両チャンネルを閉鎖することを決定しています。記事作成時点で、Screen CultureとKH Studioは閉鎖されており、両チャンネルにアクセスしても以下の「このページは利用できません。申し訳ありません。他の内容を検索してください。」というメッセージが表示されるだけです。

YouTubeはScreen CultureとKH Studioのチャンネルを閉鎖した理由について、スパムおよび誤解を招くメタデータに関するポリシーに違反しているためと説明しています。つまり、YouTubeは2つのチャンネルが動画のタイトルから「偽予告編」であることがわかるような単語を抜いたことは、ポリシー違反であると判断したわけです。
Screen CultureとKH Studioのチャンネルが閉鎖されたことについて、あるYouTuberはDeadlineに対して「モンスターは倒された」と語りました。
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