軍の売店の冷凍庫にハッキング攻撃か、冷蔵・冷凍食品売り場が国家安全保障上の脅威になる可能性

2026年8月26日~27日の間に、アメリカの11州にまたがる軍事施設で「売店の冷蔵・冷凍庫の故障報告」が確認されました。外部からのハッキングが行われた可能性も考えられましたが、後に国防総省は「冷蔵設備の不具合の可能性」を認めています。
I Think the Military Commissary Freezers Were Hacked
https://signalandsilence.substack.com/p/i-think-someone-hacked-the-commissary
Army, Air Force special agents investigate refrigerator outages affecting several commissary stores | Stars and Stripes
https://www.stripes.com/theaters/us/2026-09-01/army-cid-investigates-commissary-refrigerator-outages-22721718.html
軍・政府関連の調査や報道を専門とするM.エリザベス氏は、「これが正気の沙汰ではないと自覚していますが、どうか私についてきてほしい」と前置きした上で、「ここ数日間で、少なくとも6つの軍事施設でほぼ同時に発生した冷蔵設備の故障または重大な問題が公式情報源によって確認されており、さらに複数の他の事例についても独立した情報源から確認されています。誰かが売店の冷凍庫をハッキングした可能性はゼロではないと思います」と2026年8月28日に報告しました。最初のきっかけは売店から冷蔵・冷凍コーナーが突然なくなったことを嘆く投稿をSNSで発見した時であり、その後別の場所でも同様の投稿が同時期に発生していたため、エリザベス氏は軍事関連のネットワークセキュリティに着目しました。
結果として、エリザベス氏は8月26日~27日に以下の11州にまたがる14の軍事施設で発生した、売店の冷蔵・冷凍庫の故障報告をリストアップしました。なお、公式に発表していない独自確認されたものもあります。
・フォート・ワチューカ(アリゾナ州)
・F.E.ウォーレン空軍基地(ワイオミング州)
・フォート・アーウィン(カリフォルニア州)
・コロンバス空軍基地(ミシシッピ州)
・ニューポート海軍基地(ロードアイランド州)
・トラビス空軍基地(カリフォルニア州)
・リムーア海軍航空基地(カリフォルニア州)
・ポート・ヒューネメ(カリフォルニア州)
・リトルロック空軍基地(アーカンソー州)
・ダイス空軍基地(テキサス州)
・ホロマン空軍基地(ニューメキシコ州)
・ロビンズ空軍基地(ジョージア州)
・マッコネル空軍基地(カンザス州)
・キャノン空軍基地(ニューメキシコ州)
例えば、以下はフォート・ワチューカのFacebookアカウントが8月27日に「夜間の機器故障により売店の冷凍庫がすべて『霜取り運転』に入り中身を温めていたため、中の食品がすべて腐ってしまった」と発表した投稿。実際に、ガラガラになった冷蔵庫・冷凍庫の様子が撮影されています。
フォート・ワチューカに対するコメントでは、フォート・ワチューカの冷蔵設備は比較的最近交換されたものであり、冷凍設備と空調設備は軍人や家族向けの「コミッサリー」と呼ばれる食品店を運営する「国防コミッサリー局(DeCA)」を通じて遠隔制御されていると指摘されました。このコメントの真偽は不明ですが、エリザベス氏がDeCAの冷凍技術仕様書を調べてみたところ、冷凍庫の「霜取り運転」も遠隔操作で制御されることが確認できたとのこと。
また、ホロマン空軍基地では空っぽの売店の冷蔵庫・冷凍庫の前に「予期せぬ冷蔵システムの故障により、冷蔵・冷凍商品は当面の間、販売を休止させていただきます」というメモが貼られていました。

フォート・アーウィンも同様の不具合を認め、冷蔵コーナーを封鎖した上でメモを設置しています。
エリザベス氏は、このトラブルが発生したタイミングに注目しています。2026年8月9日に、産業用サイバーセキュリティ企業のClarotyの研究チームは「コントローラーを凍結させ、食品を解凍する:Danfoss製冷凍コントローラーの脆弱(ぜいじゃく)性を明らかにする」と題した記事を公開しました。研究者らは、業務用冷蔵・冷凍システムを一元管理するために使われる監視制御装置「Danfoss AK-SM 800A」を調査した結果、深刻な不正アクセスを可能にする脆弱性が発見されたと報告しています。

フォート・ワチューカを初めとした軍事施設がDanfoss AK-SM 800Aを使用していることは確認されていません。ただし、DeCAの機器一覧を検索可能な形で複製した資料の中で、El Centro海軍航空施設にDanfoss AK-SM880冷却監視・制御システムが設置されていると記載されており、DeCAの環境内でDanfossのAK-SMシリーズの技術が使われていること自体は確認できます。
また、Clarotyは同じ8月9日に、別の冷凍システム「Copeland XWEB Pro」についても調査記事を公開しています。研究者らはCopeland XWEB Proに23件の脆弱性を発見し、そのうち21件が「高深刻度」と評価されました。そして、今回のトラブルに関係している可能性がある点として、「監視制御装置を侵害した後、実際の冷却設備を物理的に操作できる」という脆弱性も発見されています。Copeland側はすでにセキュリティ情報を公開して脆弱性を認めており、利用者に対して「制御システムやそのWebインターフェースをインターネット上に直接公開しないように」と注意喚起しています。

ただし、これらの報告書はあくまで「制御システムをハッキングすることで軍の売店にある冷却システムを壊すことができた」という可能性を示すものであり、実際にハッキングが行われた証拠を示すものではありません。一般的なソフトウェアの問題や設定ミス、アップデートの失敗、通信障害、あるいはDeCA全体に関係するメンテナンス上の問題でも、今回の現象は説明できます。実際に、DeCAは2026年3月の調達資料で、「老朽化したインフラへの対応」を課題として挙げています。それでも、フォート・ワチューカでは冷却の停止や電力供給の停止などではなく、中の食品を温める「霜取り運転」が生じたことには、非常に多くの偶然が重なっており違和感があるとエリザベス氏は指摘しています。
アメリカ国家安全保障局(NSA)とパートナー機関は2026年8月19日に、「サイバー攻撃者が現在、アメリカ国内の『産業用制御装置』に対して、標的を絞った偵察と能力開発を行っている」と警告しました。これとDeCAのトラブルの関連性は不明ですが、「どうして軍事施設の重要ネットワークではなく冷蔵庫が狙われたのか」という疑問は、偵察的なハッキングだったと説明することができます。
星条旗新聞は2026年9月1日に、陸軍と空軍の特別捜査官が、複数の売店に影響を与えている冷蔵庫の故障について調査していることを報道しました。操作の内容については詳細が明かされず、売店システムへの不正アクセスに関する懸念があるかどうかについての直接的な質問には回答しませんでしたが、報道によると、空軍では国防犯罪捜査局が操作を主導していることを明かしたとのこと。
最終的に、アメリカ国防総省は「多数のDeCA売店で、冷蔵設備の不具合が発生した可能性」を認めましたが、原因については明らかにされていません。
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in セキュリティ, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article Hacking attack on a military store's….







