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大卒者の初任給がアメリカで過去最高に、「最も稼げる専攻」とは?


3300校以上の大学のキャリアサービス担当者が所属するアメリカの専門家協会National Association of Colleges and Employers(NACE)が2020年度の大学新卒生の給与状況に関する調査結果を発表しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によって労働者階級で大規模な失業が発生しましたが、新卒生の給与は上昇し続けていることなどが明かされています。

Salaries for College Graduates Climb Even in the Face of the Pandemic
https://www.naceweb.org/about-us/press/salaries-for-college-graduates-climb-even-in-the-face-of-the-pandemic/

College graduate starting salaries are at an all-time high
https://www.cnbc.com/2021/09/01/college-graduate-starting-salaries-are-at-an-all-time-high.html

2020年にアメリカを襲ったCOVID-19は各方面に余波を生み出しましたが、その中でも大きいものとして数えられるのが経済界に対する余波です。第二次世界大戦以降、アメリカの失業率はおおむね2.0~8.0%を推移しており、公式統計で10%の壁を破ったのは第二次オイルショック(10.8%)とリーマンショック時(10.0%)の2回のみでしたが、COVID-19が大流行した2020年4月にはこれらをはるかに上回る失業率14.7%を記録。失業者はわずか1カ月で1600万人近く増加しました。

失業率が戦後最悪の水準に(アメリカ:2020年5月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2020/05/usa_01.html


しかし、こうした大規模な失業が発生した中でも、大学卒業生の初任給は上昇を見せたことが明らかになっています。NACEが新たに発表した調査結果によると、2020年度のアメリカの新卒者の平均年収は5万5260ドル(約606万円)。2019年度の5万3889ドル(約591万円)からは2.5%上昇し、2018年度の5万944ドル(約559万円)からは8.5%上昇しました。

NACEは新卒生を化学・工学・数学などの専攻分野によって分類し、「初年度年収が高い専攻」も明らかにしています。下の画像が、初年度年収が高い専攻の1位~5位を示したランキング。最も初年度年収が高い専攻は石油やガスを効率的に抽出する機器の設計・指示を専門とするPetroleum engineering(石油工学)で、平均年収は8万7989ドル(約965万円)。2~5位は、2位がComputer programming(コンピュータープログラミング)で平均年収8万6098ドル(約944万円)、3位がComputer engineering(コンピューターエンジニアリング)で平均年収8万5996ドル(約943万円)、4位がComputer science(コンピューターサイエンス)で平均年収8万5766ドル(約940万円)、5位がElectrical, electronics, and communications engineering(電気・電子・通信工学)で平均年収8万819ドル(約886万円)でした。


6~10位は以下で、6位がOperations research(オペレーションズ・リサーチ)で平均年収8万166ドル(約879万円)、7位がComputer and information science(情報科学)で平均年収7万8603ドル(約862万円)、8位がStatistics(統計学)で平均年収7万5916ドル(約832万円)、9位がApplied mathematics(応用数学)で平均年収7万3558ドル(約807万円)、10位がChemical engineering(化学工学)で平均年収7万2713ドル(約797万円)でした。


今回の結果について、NACEの調査責任者であるAndrea J. Koncz氏は「技術系の専攻は、通常、需要が最も高いため、最も高給です」「COVID-19の大流行によって新たに『バーチャル世界』の技術的な需要が高まったため、コンピューター関連の専攻が初年度年収ランキングに4つ入りました」とコメント。アメリカの大手報道機関のCNBCは大学の学位を所持しないアメリカ人の3分の2で平均余命が減少しているという研究結果を取り上げ、教育格差の問題を指摘しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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