愛犬を健康で長生きさせるためにできる5つのこと
犬を飼っている人なら誰でも、自分の愛犬にはいつまでも健康で長生きしてほしいと願うものです。そこで、イギリスのノッティンガムトレント大学で犬の健康と福祉について教えているジャクリーン・ ボイド氏が、「犬を健やかに長生きさせるために飼い主が注意すべきポイント」を5つに絞って解説しました。
Five ways to help your dog live a longer, healthier life
https://theconversation.com/five-ways-to-help-your-dog-live-a-longer-healthier-life-166306
◆1:犬のウエスト周りに気をつける
健康的な体重を維持することは、人間や犬を含むさまざまな動物の寿命に大きな影響を与えます。特に、犬の20%は足などの関節に痛みや腫れが生じる変形性関節症にかかってしまうと言われていることから、こうした疾病を防ぐ上でも、体重管理は重要なポイントです。
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ボイド氏によると、犬にとってどのくらいの体重が健康的なのかを確認するには、ボディ・コンディション・スコアという指標を用いるといいとのこと。また、適正体重の維持には犬がどれだけドッグフードを食べているかの把握が欠かせないため、目分量ではなくきちんとフードの重さを計量して年齢や運動量に応じた適量のエサやりをする必要があると、ボイド氏は述べています。
◆2:十分に散歩する
適度な運動は犬の体重管理に役立つだけでなく、老化を防いだりストレスを解消したりするといった多くのメリットを持っていると言われています。実際に、12世帯38人の犬の飼い主に面談を実施した2017年の研究では、散歩をすると犬と人の両方の幸福度が向上することが確認されました。
◆3:新しい芸や遊びを教える
高齢の犬に対するトレーニングをテーマにした2017年の研究によると、体力が落ちて活動量や生活の質が低下しがちな老犬でも、トレーニングで新しい芸を覚えることで肉体と精神の若さを維持できるとのこと。特に、嗅覚を使ったトレーニングである「ノーズワーク」は犬にとって楽しくやりがいがあり、体に負担がかかりにくいので老犬にも向いているとされています。
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また、運動が大きく制限されている犬の場合は、プールで泳がせるといった療法も効果的とのことです。
◆4:絆を深める
愛犬家がよく犬を「家族の一員」と表現するように、犬もまた世話を焼いてくれる人に明確な愛着を抱きます。そのため、飼い主と犬との関係が安定していれば、飼い主と犬の両方にとって幸福で有益なパートナーシップを築くことができます。また、犬の行動や動作の微妙な変化にいち早く気づくことは、病気の兆候といった潜在的なリスクの早期発見にも重要です。
例えば、人と犬のふれあいがもたらす効果に注目した2019年の研究では、飼い主と飼い犬の相性が良好なケースでは犬の攻撃性が低く、恐れを示す行動の頻度も少ないほか、人間にも主観的幸福感が高くストレスを感じにくいといったメリットがあることが分かっています。ボイド氏によると、犬との絆を深めるには、一緒に遊んだり楽しくてポジティブな経験を共有したりするのがなによりとのことです。
◆5:獣医師の診察を受けさせるのをサボらない
有効なワクチン開発や寄生虫対策といった獣医学の進歩により、犬の排せつ物から人間に寄生虫が感染するトキソカラ症や致死性の高い人獣共通感染症の狂犬病など、犬と人間の両方の病気を大幅に減少させることに成功しました。また、定期的に獣医師の健康診断を受けさせることで、虫歯や変形性関節症など、痛みを伴う犬の健康問題を早い段階で治療することが可能になるほか、獣医師と良好な関係を築くことで、犬の健康問題や犬にあった治療について気軽に相談することもできます。
こうした点から、ボイド氏は末尾で「結局のところ、犬の寿命は生活環境と遺伝の両方によって大きく左右されます。遺伝を変えることはできませんが、犬の生活環境を改善させるためにできることはたくさんあるので、そうした努力の積み重ねが犬の健康的な一生の支えになるはずです」と結論づけました。
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