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「Appleは社員の個人用Apple IDを仕事用デバイスにリンクさせて退職時に個人的なテキストや画像まで引き渡すことを要求する」との証言


「Appleは仕事用のデバイスと個人用のApple IDを統合するように圧力をかけ、退職時に個人的なテキストや画像の引き渡しを要求してくる」と、Appleでエンジニアリングプログラムマネージャーを務めるAshley Gjøvik氏がTwitterに投稿しました。この件について、Twitter上で「Appleの従業員に対するプライバシー慣行は問題がある」と非難が湧き上がっている一方で、証言の内容に疑念を呈する声も挙がっています。


Gjøvik氏は2021年8月20日、Appleの研究開発部門は仕事用と個人用のiPhoneを1台に統合するように圧力をかけ、従業員を対象にした調査時や退職時には、個人的なものも含めた全てのテキストや画像を引き渡すように強制しているとTwitterに投稿しました。Gjøvik氏がAppleに質問したところ、仕事とは関係のないテキストや添付ファイルを削除することも認めなかったとのこと。


「私は彼らに、個人的な写真やテキストを削除させてくれるよう何度も頼みました。雇用主とこれらを共有しなければならないことは、ゾッとするようなプライバシー違反であると言いました」と、Gjøvik氏は主張しています。


また、「弁護士立ち会いの元で自分の個人的な写真やテキストを開示し、それが個人的なものであると確認した上で、担当者が承認したものだけを削除するのはどうか?」という申し出も拒否されたそうで、Gjøvik氏はAppleが従業員のヌード写真まで引き渡すことを要求していると非難しました。


同様の証言があったのは今回が初めてではありません。8月10日には、テクノロジー系メディア・The VergeのレポーターであるZoë Schiffer氏が、「Appleは従業員が同僚とコラボレーションする時に、個人用のiCloudアカウントをリンクするように指示しています。従業員が退職する時、Appleはデータを削除せずにラップトップを引き渡し、マネージャーが仕事のシステムにアクセスすることを求めます」と述べています。


Gjøvik氏の証言に対しては、「私もAppleの従業員や元従業員から、ユーザーエクスペリエンスに没頭するために仕事用と個人用アカウント、そしてデバイスの統合を求める圧力について、数年にもわたって聞いています」という反応や……


2018年~2020年にかけてAppleで働いていた人からは、個人的なデジタルライフをこれほどコントロールしようとするのはAppleくらいであり、この点が不快だったという非難の声も挙がっています。


また、実際にAppleから貸与されたMacBookから個人的なデータを削除せずに返却するように求められたという元従業員は、この方針に違反して個人的なデータを削除したと述べています。


一方、この証言について取り上げたソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのスレッドには、Gjøvik氏の証言に疑念を呈する声が元Apple従業員から挙がっています。

Apple explicitly asks employees to merge their personal and work accounts | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=28241753

「_drimzy」という元Apple従業員を名乗る人物は、Appleでは仕事のためだけに別のiCloudアカウント(Apple IDアカウント)を作成することが可能であり、仕事用の携帯電話とプライベートの電話を分けていたと証言。不平を言っているGjøvik氏のような人々は、仕事用のアカウント作成をせず、個人用のアカウントに「作業データ」を追加してしまったのではないかと述べています。


また、「Appleの入社初日にMacBookを受け取り、自分のiCloud IDでログインする可能性はゼロでした。新しいIDを作成しました」というコメントや……


「これは単なる間違いです。Appleは従業員が個人のiCloudアカウントを使うことを期待しておらず、仕事用システムでの個人データの共有・保存について非常に明確な警告を発しています。仕事用のデバイスでヌードを含む個人アカウントを使用した人には同情できません」という厳しい反応も。


「Appleが従業員に個人用のApple IDを仕事で使うように要求している」という証言については、「Apple従業員に与えられる『@apple.com』の仕事用メールアドレスでApple IDを作れないことが原因ではないか」との指摘もあります。過去にAppleに雇われたという「pommecore」という人物は、仕事用のメールアドレスでApple IDが作れずに困っていたところ、近くに座っていた同僚が「デバイスを使うには個人のApple IDを使用する必要がある」と教えてくれたとコメント。結局、pommecoreは新たなメールアドレスで仕事用のApple IDを作成したそうですが、個人アカウントと仕事用アカウントを統合するように求められた記憶はないとのこと。


2年間Appleで働いたという「phantasilide」という人物は、Appleは仕事用に別のApple IDを作成することはできたものの、やはり「@apple.com」のメールアドレスでApple IDを作成することができなかったとコメント。そして、退職時にデバイスのデータを削除しないように求められたのは確かである一方で、仕事に関連するものにはFindMyを除いてiCloudの機能をオフにするよう求められたそうです。Gjøvik氏の証言については心当たりがないとしながらも、「Appleは大きな組織です」と述べ、一部の上司やグループ内で個人アカウントと仕事用アカウントの統合を求められるケースはあるかもしれないとしています。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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