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完全自動運転車は歩行者や自転車にとって最大25倍安全だと日本でも展開中のWaymoが調査結果を発表


2025年5月1日、Alphabet傘下の自動運転車開発企業であるWaymoが、自社の自動運転車が重大な衝突事故を減らしており、歩行者や自転車にとって人間が運転する自動車よりも最大25倍も安全であるという調査論文を発表しました。

New Study: Waymo is reducing serious crashes and making streets safer for those most at risk
https://waymo.com/blog/2025/05/waymo-making-streets-safer-for-vru


Waymo says its robotaxis are up to 25x safer for pedestrians and cyclists | Electrek
https://electrek.co/2025/05/01/waymo-says-its-robotaxis-are-up-to-25x-safer-for-pedestrians-and-cyclists/

Waymoは独自の完全自動運転システムである「Waymo Driver」を開発しています。このWaymo Driverが道路における安全性の向上にいかに貢献しているのかについて、WaymoはSafety Impactというプロジェクトを通じて調査しています。

Safety Impactの研究を拡張し、複数種類の衝突事故におけるWaymo Driverのパフォーマンスを人間のドライバーと比較した詳細な調査論文が、交通事故に関する研究論文を取り扱う学術誌のTraffic Injury Preventionに掲載されました。

Waymoの調査論文では、「自転車との衝突事故」「バイクとの衝突事故」「歩行者との衝突事故」「二次的交通事故」「車両単体での衝突事故」「後方を走る車両との衝突」「前方を走る車両との衝突」「反対車線を走る車両との衝突」「交差点での車両同士の衝突」「横方向からの車両同士の衝突」という複数の衝突事故を、Waymo Driverと人間のドライバーで比較しています。


調査では、5670万マイル(約9100万km)を超える距離の走行をWaymo Driverと人間で比較した場合、誰が過失を犯したかに関係なく、Waymo Driverには次の特徴があることが明らかになりました。

・交通弱者(VRU:歩行者、自転車、バイク)とのやり取りがより安全に
Waymo Driverは人間のドライバーと比較すると、歩行者、自転車、バイクとの負傷を伴う衝突事故が大幅に減少します。歩行者の場合は92%減、自転車は82%減、バイクも82%減です。


・交差点での負傷事故が大幅に減少
アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)によると、交差点での負傷事故は人間のドライバーにとって深刻な交通事故の主な原因のひとつだそうです。しかし、Waymo Driverは人間のドライバーと比べると、負傷を伴う交差点での事故発生率を96%も減少させています。Waymo Driverが赤信号を無視する車両を検知し、適切に対応できる能力に大きく起因しています。

・重傷またはそれ以上の怪我が疑われる事故が85%減少
過去の研究から、Waymo Driverはすべての怪我を合わせた事故で人間のドライバーと比較して大幅な減少を示していることが明らかになっています。しかし、今回の研究では重傷者が出た衝突事故においても、人間のドライバーよりも事故発生率が低いことが明らかになりました。結果は統計的に有意ですが、幸いなことに重傷事例は少ないため、少数の事例に基づいています。

以下の動画はWaymo Driverが実際に衝突事故を回避することに成功した瞬間をまとめた動画。

Waymo is reducing serious crashes and making streets safer for those most at risk - YouTube


夜間に交差点で無理矢理Waymo Driverを追い抜こうとしたバイクが車両の目の前で転倒したものの、Waymo Driverは急停止してバイクと運転手に衝突することを回避しています。


信号無視して交差点に進入してきた自転車も、しっかり認識して自転車にぶつからないよう停止。


同じ方向に向かっていたバイクが転倒しても、検知して回避することに成功しています。


急な進路変更で目の前で自動車同士が衝突するも、Waymo Driverは急停止して二次的交通事故を起こさずに済んでいます。


夜間に交差点に信号無視して侵入してくる車両を検知し、衝突を回避。


WaymoはアメリカでWaymo Driverを展開している各地域で発生した事故の総数も公表しており、エアバッグが展開するレベルの衝突事故や、重傷以上の負傷者が発生した衝突事故の件数も明らかにしています。

 怪我エアバッグが展開重傷以上
フェニックス2480
サンフランシスコ1672
ロサンゼルス820
オースティン010
合計48182


なお、今回の調査では衝突にWaymo Driverが関係しているのか否かは考慮されていませんが、保険会社のスイス・リーが主導した以前の調査では、事故への関与を考慮するとWaymo Driverのプラスの影響はさらに大きくなることが実証されています。

Waymoの最高安全責任者であるマウリシオ・ペーニャ氏は、「Waymoが事業を拡大し続ける中で、アメリカの街頭で実際にポジティブな影響を与えていることを目の当たりにするのは大変喜ばしいことです。今回の調査は、Waymo Driverが重大事故の削減とすべての道路利用者の保護において重要な役割を果たしているという、ますます増える証拠を裏付けるものです」と語りました。

州知事幹線道路安全協会のジョナサン・アドキンスCEOは「安全性に関して、Waymoが人間のドライバーを上回っていることを示す実世界データを見るのは心強いものです。特に歩行者や自転車利用者の事故や負傷の減少は、まさに私たちが自動運転車に期待する進歩です」と語り、今回の調査結果を歓迎しています。

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in 乗り物, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article Waymo, which is also operating in Japan,….