12年かけて撮影された1.7ギガピクセルの「天の川」が公開中
遠く離れた星々の光は微弱なため、星空を撮影する際には、カメラのシャッターが開いている時間を長くして多くの光を捉える「長時間露光」という手法がよく使われます。夜空にかかる天の川を、12年間もの歳月とのべ1250時間の露光時間により撮影した写真が、インターネットで公開されました。
Astro Anarchy: Milky Way, 12 years, 1250 hours of exposures and 125 x 22 degrees of sky
https://astroanarchy.blogspot.com/2021/03/gigapixel-mosaic-of-milky-way-1250.html
フィンランドの天体写真家であるJ-P Metsavainio氏は、2009年~2021年までの12年間で撮影した天の川の写真を、自身のブログで公開しました。
Metsavainio氏は天の川の写真方法について、「これほど長い年月を要した第1の理由は、個々の画像の大きさと『深さ』にあります。もう1つの理由は、それぞれの画像を個別の構図で撮影し、独立したアート作品として発表したからです。そうした写真をつなぎ合わせると、写っている星が重なることもあれば空白が生じることもあったので、空白部分を補うための撮影を行う必要がありました。そして、それらの写真をPhotoshopで重ね合わせてから、カラーバランスやライトカーブを調整していきました」と説明しています。
合計で1250時間以上もの露光時間をかけて撮影された234枚のモザイク写真を組み合わせて1枚にした天の川の写真には、合計で約2000万個もの天体が収められています。そのうちの1つであるチューリップ星雲(Sh2-101)については、以下のブログ記事にまとめられています。
Astro Anarchy: The Tulip nebula in cygnus, Sh2-101
https://astroanarchy.blogspot.com/2020/10/the-tulip-nebula-in-cygnus-sh2-101.html
ほにも、超新星の残骸といわれる「SNR G65.3+5.7」も写っているとのこと。
Astro Anarchy: G65.3+5.7 , large supernova remnant in Cygnus, project continues
https://astroanarchy.blogspot.com/2020/11/g65357-large-supernova-remnant-in_22.html
Metsavainio氏の写真は、このリンクから購入可能です。
なお、Metsavainio氏が写真撮影に使った自宅の天文台はこんな感じです。
by J-P Metsavainio
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