メモ

Googleの元マーケティング担当者が語る「ヒット商品が客にやらせる儀式」とは?


Googleでマーケティング担当者を務めた経験があるというトーマス・マッキンレイ氏が、「客が儀式をする必要がある商品は売れる」と語り、その理由を解説しています。

People love products with rituals - Ariyh
https://ariyh.substack.com/p/attach-a-ritual-to-your-product

マッキンレイ氏によると、客に特定の動作、つまり儀式をさせるような商品は顧客満足度が高く、価格が高くても売れるとのこと。儀式の好例としてマッキンレイ氏は、「オレオを剥がして食べる」「特定の方法でベルギービールをジョッキに注ぐ」という2つを挙げています。

by Mike Mozart

ただし、儀式はなんでもいいというわけではなく、以下のような特徴を持っている必要があるとのこと。

・儀式はランダムなジェスチャーであってはならず、状況や製品に合った自然かつ反復的な動作でなければならない。
・儀式は、商品を消費する人が行うこと。
・儀式を行ってから、商品を消費するまで時間が空くと、さらに満足度が高まる。

なぜ儀式を行うと満足度が高まるのかについて、マッキンレイ氏は「儀式をすると商品への関心が高まり、自分が作った物のように感じられます。自分で用意した料理がそうであるように、私たちは自分で作ったものを好きになり、過大評価します」と述べています。

また、儀式にはストレスを減らしたり、儀式を行った空間を安全だと思わせたりする効果もあるそうです。例えば誕生日のパーティで食べるケーキにロウソクを立てたり、願い事をしたりするなど、人が人生の重要な節目に儀式を行うのも、儀式にプラスの効果があるからだとのこと。


儀式を組み込むことができる商品は、なにも菓子やビールだけではありません。マッキンレイ氏は、B2Bサービスやゲームアプリを例に、以下のような方法で儀式を採り入れることを提案しています。

・B2Bコンサルタントの場合
企業間取引(B2B)に携わるコンサルタントの場合、会議に出席する担当者ら全員に「1分間の瞑想(めいそう)」を求めると、そのことがブランディングのきっかけになる可能性があります。

・ゲームアプリ開発者の場合
プレイヤーがアプリを開始する度に、レバーを上下に動かして画面の明るさを最適に調整しなければならないようにする。

・食器洗い機用の洗剤メーカーの場合
食器洗い機にタブレット状の洗剤をセットする際に、必ず3回手のひらの間で転がして柔らかくする必要があるようにする。


こうした儀式を組み込む際の注意点として、マッキンレイ氏は「儀式が商品のブランドや状況に不似合いではないか確認してください」と述べています。例えば、「システムにログインする前に3回腕立て伏せをする」という具合に、製品と何の関係もないものは儀式として不適切とのこと。また、儀式は簡単かつ儀式を行う人のためになるようなものでなければなりません。

儀式の効果について、マッキンレイ氏は「まず小規模なテストで儀式を試した後、商品に適用して、顧客とのやりとりやキャンペーンなどでそれを広めます。すると、最終的にはそれが口コミの一部として、有機的に成長していくはずです」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
投資家が語る「おもちゃメーカー経営の難しさ」とは? - GIGAZINE

ネットショップで手作りアイテムを販売し年に1億以上を売り上げるための秘密 - GIGAZINE

「ヒットする曲」を87%の精度で予測する機械学習モデルが誕生 - GIGAZINE

大ヒット映画に共通するストーリーの流れとは? - GIGAZINE

ピクサーの作品に秘められた物語を書くための22の法則 - GIGAZINE

小説のストーリーラインの感情変化を分析すると定番の方程式が明らかに - GIGAZINE

年に1度のヒット商品の祭典、あのラー油も受賞した「食品ヒット大賞」 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.