サイエンス

新型コロナは皮膚の上でインフルエンザの5倍長く残存する、ただし15秒で非活性化する方法もあり


新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は飛まつ以外にも接触で感染が広がると考えられており、プラスチックやガラスなどの硬くて滑らかな表面では最長72時間残存することも研究で示されています。新たに京都府立医科大学の研究チームが発表した論文では、SARS-CoV-2は最長で9時間とインフルエンザウイルスの5倍も長い時間皮膚の上で残存することが示されました。

京都府立医科大学:【論文掲載】ヒトの皮膚上に存在する新型コロナウイルスの生存期間を解明
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2020/20201005.html

Survival of SARS-CoV-2 and influenza virus on the human skin: Importance of hand hygiene in COVID-19 | Clinical Infectious Diseases | Oxford Academic
https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciaa1517/5917611

Coronavirus can survive for up to NINE HOURS on human skin, study finds | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/health/article-8808063/Coronavirus-survive-NINE-HOURS-human-skin-study-finds.html

研究チームは、24時間以内にSARS-CoV-2への感染が原因で亡くなった人の皮膚サンプルを用いて実験を行いました。COVID-19患者の皮膚細胞サンプルとインフルエンザA型の皮膚細胞サンプルを混ぜてそれぞれの残存時間を測定したところ、SARS-CoV-2は皮膚の上に9.04時間残存することが示されたとのこと。9.04時間は、プラスチックやガラスの表面上でのSARS-CoV-2の残存時間よりも短いですが、インフルエンザウイルスは1.82時間だったため、約4.96倍も長いことになります。


「この結果は、SARS-CoV-2が人間の皮膚の上で(インフルエンザウイルスよりも)ずっと長く安定していることを示します」と研究チームは述べています。

また上気道サンプルから採取した粘液と混ぜた場合、SARS-CoV-2は最長11.09時間残存し、これに対してインフルエンザウイルスの残存時間は1.69時間でした。つまり粘液上においてはインフルエンザウイルスより約6.5倍長く残存することになります。


一方で、アルコール成分80%以上の消毒液を使うと、いずれのウイルスも15秒以内に完全に非活性化されることも実験で示されました。

SARS-CoV-2もインフルエンザウイルスも飛まつ・接触によって感染しますが、SARS-CoV-2はインフルエンザウイルスよりも皮膚の上ではるかに安定しているため、感染リスクが高いと研究チームは結論付けています。秋から冬にかけてSARS-CoV-2の第2波、第3波が起こることが予想されますが、適切な手指の洗浄・消毒が重要になると研究チームは呼びかけています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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