トヨタがコウモリのように天井からぶら下がる家庭用ロボットを発表
人工知能技術に関する先端研究を行うトヨタ自動車傘下のトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)が、「天井」に設置する家庭用ロボット「Gantry Robot」のコンセプトモデルを発表しました。
Toyota Research Institute Showcases Latest Robotics Research Aimed at Amplifying Human Ability in the Home | TRI
https://www.tri.global/news/virtual-robotics-event/
Toyota’s ceiling-mounted robot is like GLaDOS for your kitchen | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/10/toyotas-ceiling-mounted-robot-asks-what-if-glados-could-do-the-dishes/
Toyota’s robot butler prototype hangs from the ceiling like a bat - The Verge
https://www.theverge.com/2020/10/1/21496692/toyota-robots-tri-research-institute-home-helping-gantry-ceiling-machine
Toyota Research Demonstrates Ceiling-Mounted Home Robot - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/home-robots/toyota-research-ceiling-mounted-home-robot
Gantry Robotは以下のように天井に設置された台座に接続された上下逆さまのロボット。
台座部分はアルミ製で、天井に巡らされた可動式の梁(はり)に設置されるという仕組み。この梁に電源ケーブルなどを収納できるため、Gantry Robot本体にバッテリーは不要。
実際にGantry Robotが動作している様子は以下のムービーの26分20秒頃から確認できます。なお、このムービーはVR対応となっており、360度の視点移動が可能です。
TRI Robotics Virtual Open House 360º - YouTube
Gantry Robotは天井からぶら下がっているので、人の手の届かない冷蔵庫の上も掃除可能。
安全性のために人よりもゆっくりとした動作で稼働し、卓上やキッチンなどの掃除は家族が寝静まった夜間に行うこともできます。
アーム部分は、はさみ式で、物体をつかむことが可能。ムービーではペットボトルを持ち上げて……
冷蔵庫のドアをガチャッとオープン。
ラック部分にペットボトルを収納してくれました。
Gantry Robotはもともとはルンバのような車輪付きの台座に接続される想定でした。しかし、多大なバッテリー容量とコンピューティングパワーを要求することから、どうしても台座部分が巨大なものになってしまったため、「日本の家屋の床面積を想定すると、動作が制限されてしまう」という結論に至ったとのこと。
こうした経緯から、今回の発表されたコンセプトモデルは「天井に設置」という新奇なスタイルになっているそうです。開発チームは、Gantry Robotが掃除や食器洗い、荷物の持ち運びだけでなく、調理まで担うことを目指していると語っており、高齢者支援を目標の1つとして掲げています。
また、TRIはGantry Robotに加えて、「Soft Bubble Gripper」というロボット用のアームパーツも発表しています。Soft Bubble Gripperは物体と接触したときに変形する弾力性のある泡状素材でできており、内部に搭載された「泡状素材の形状を感知して表面のせん断力を推定する深度カメラ」によって、状況に合わせて泡状素材の圧力を変化させてグリップ力を柔軟に変化できます。
Soft Bubble Gripperの性能を解説するムービーが以下。
Sensing is believing: More Capable Robot Hands with the Soft Bubble Gripper - YouTube
Soft Bubble Gripperを搭載したアームは、シンクの中のペットボトル容器やカップを持ち上げるだけでなく……
縦一列のグラスタワーを作ることも可能です。
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