UNIXの貴重なブート画面を記録したムービー「AT&T UNIX PC 7300 boot up」
AT&Tのベル研究所で開発されたUNIXは、macOSやLinux、FreeBSDといった、現在広く普及しているOSの元となる存在です。そんなUNIXの起動画面を記録した貴重なムービーがYouTubeで公開されています。
AT&T UNIX PC 7300 boot up - YouTube
ムービーに登場している「AT&T UNIX PC 7300」は、512KiBのメモリと10MBのハードドライブを搭載したモデル。当時としてはモダンな外観である「ウェッジ」デザインを採用していました。PC 7300の後ろに手を伸ばし、電源をオン。
電源を入れると画面左上にぼんやりとマークが浮かび上がってきて……
5秒ほどたつとはっきりとマークが表示されました。
起動画面が表示され、ディスクの検索が行われています。
文字がつぶれて読みづらいですが、ブートローダーを読み込んでいるようです。
ブートローダーの読み込みが完了すると、画面全体が緑色に光るとともに、右下に「writing」と書かれたマークが表示されています。
しばらくすると「Welcome to the AT&T UNIX pc.」という表示とともに、保存されているファイルのチェックが始まりました。
40秒ほどで保存されているファイルのチェックが終わると、次はドライバーのロードが始まりました。ドライバーの読み込みには約1分ほどかかっています。
ドライバーの読み込みが完了したら、次は画面のセットアップ。こちらは数秒で完了しています。
すべてのセットアップが終わると、右上にバーが表示されて……
UNIXのログイン画面が表示されました。PCの電源を入れてからログイン画面が表示されるまでにかかった時間は約3分。現代のPCは電源オフの状態から数秒でOSが起動してしまうものもあるので、現代のPCしか使ったことがない人は、PC 7300の起動速度にじれったさを感じてしまうかもしれません。
残念ながらrootユーザーのパスワードがわからないため、ログインはできない様子。
日付と時刻が画面トップの中央に配置されていて……
その右側にはステータス表示が。現在のLinuxで使われているGNOME Shellに似た配置です。
何度もログインを試すものの、やはりパスワードが間違っているためログインはできなかったようです。
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