ゲーム

ゲームによる学習は効率的で身に付きやすい


学習に特化したゲームから娯楽のゲームに散りばめられた知識まで、ゲームで何かを学ぶという機会は少なくありません。そのように「ビデオゲームで学習する」ということは普通に教育として学ぶよりも効率的で身につきやすいというアイデアを、データ分析企業Palantirで生物医学のエンジニアを務めるNabeel Qureshi氏が記述しています。

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https://nabeelqu.co/education

Qureshi氏自身の経験では、10代のころに真に学んだと言えるものは「自分で選んで読んだ本」「自学自習で身に付けたプログラミング」「自分で見つけたビデオゲーム」そして「授業で学んだ数学」だったとのこと。Qureshi氏はLISPプログラマーでエッセイストのPaul Graham氏による「自分にとって大事な学習は、教えられるよりも独学でやる必要に迫られることが多い」というツイートを引用しつつ、「人に教えられたことは定着しないが、自分で学んだことは身につく」と結論づけています。


また、ビデオゲームはほとんどの項目について伝統的な学習法よりも深く理解させることが可能だとQureshi氏は述べています。チェスをプレイするようなとき、各コマの動き方をシミュレートして計算するというよりは、自然にボード上の危機や弱点を感じる「力の線」が見えるとのこと。このような「肌感覚」を身に付けることは何かを深く理解するために重要ですが、教育によって身につけるのは難しいと語っています。

このような状況の例として、Qureshi氏は「ポケットモンスター」を例に挙げた物理学者のDavid Deutsch氏のツイートを引用しています。ここでは、ゲームに登場するポケモンの名前やタイプを覚える際に、アルファベット順に並べて唱えていくというような形を採るのでは、それをやりたいと思わないだろうと述べられています。


しかし、「ポケモン」をずっと遊んでいれば、名前やタイプは「肌感覚」として自然に覚えていきます。実際の教育現場でも、パイロットを育てる飛行シミュレータや軍人を訓練する戦闘シミュレータが活用されていたり、資本主義や経済について学べるFactorioのようなゲームがあったりと、シミュレーションによる学習はすでに広く使用されています。ビデオゲームは「現実をシミュレーションしたもの」であり、「高速でフィードバックを繰り返しすことができる」という点で学習に優れています。低コストでアクセス可能ということも大きな利点のひとつ。

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ゲームによる学習に不足する点として、「ゲームから直接現実に移行できない」ということが挙げられています。チェスの知識はチェスに固有のものであるように、ゲームで得た知識は実際の生活にそのまま転用することはできません。一方で、遊ぶ楽しさがあり、現実をある程度正確にシミュレートできるゲームにおいては、現実的で転用可能な学習が得られるため、この2点を満たすゲームを作成することが重要だとQureshi氏は述べています。

また、このようなゲームによる学習が現在行われていない原因として、ビデオゲームの作成が難しいという点が挙げられています。そこでQureshi氏は、ビデオゲームの作成を容易にすることで教育に革命を起こすことができると主張します。ただ教育に特化してゲームを作りやすくするのではゲームの面白さが削がれてしまい、ただ教育内容をゲーム化するのでも適切ではないとのこと。AIを活用した方法などにより、創造性を刺激して洗練されたコンテンツを生み出していける未来が理想的です。

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in ゲーム, Posted by log1e_dh

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