メモ

現職の警察官が刑事のえん罪逮捕や暴行を内部告発するも完全に黙殺されて通話記録をすべて公開

by Jagz Mario

アメリカ・ニューヨーク州の市で、「警察内で証拠ねつ造による不当逮捕や暴行が横行している」と現職の警察官が内部告発しました。しかし、司法でも取り扱われず完全に黙殺されそうになったとして、海外ニュースメディアのGothamistが独自に録音を入手し、その内容を報じました。

The Mount Vernon Police Tapes: In Secretly Recorded Phone Calls, Officers Say Innocent People Were Framed - Gothamist
https://gothamist.com/news/mount-vernon-police-tapes-innocent-people-were-framed


Gothamistが独自に入手したテープには、2017年から2020年にかけてマウントバーノン市警に12年勤めるムラシア・ボヴェル氏による通話が収録されていました。


ボヴェル氏は2014年と2015年に市を告訴する際に、マウントバーノン市警で行われている汚職や暴行の疑惑について報告しましたが、その報告内容は「手続き上の理由」で却下されたとのこと。警察内の状況が改善されないことから、ボヴェル氏は自分の主張を立証するために、秘密裏に同僚たちとの通話記録を集めていたそうです。「私の語ることが真実であることを証明する、具体的な証拠が必要です」とボヴェル氏はGothamistに述べています。

以下が、ボヴェル氏が集めた録音の一部です。

2/ Here's active duty Mount Vernon Officer John Campo. He said his narcotics unit colleagues planted drugs, falsified search warrants, and got undercover officers to identify the wrong suspects. He asked the whistleblower not to tell anyone: pic.twitter.com/Abk16XVE80

— George Joseph (@georgejoseph94)


録音の中で、ボヴェル氏はマウントバーノン市警の警察官であるジョン・カンポ氏と会話しています。カンポ氏は「大麻使用の陽性反応が検出され、懲戒処分を受けるかもしれない」と語っていました。さらにカンポ氏は、マウントバーノン市警麻薬対策課のカミロ・アントニーニ刑事が潜入捜査官と協力して麻薬を購入し、ねつ造した捜索令状を使って家宅捜索を行い、購入した麻薬を仕込み、罪のない民間人に罪をかぶせて不当に逮捕していたと語っています。

以下の写真で、一番右にいる男性がアントニーニ刑事。


また、同じマウントバーノン市警の警察官であるアヴィオン・リー氏との会話では、現場にいた巡査部長が「麻薬取引を目撃した」として若い青年を現行犯逮捕したことが語られています。リー氏によれば、男性は顎を折られたかと思うほどひどく殴られた状態で、そのまま一晩拘留されたとのこと。ただし、現場では麻薬が一切見つからなかったそうです。

ボヴェル氏は録音データの入ったUSBメモリを、元FBI捜査官でウェストチェスター地方検事のアンソニー・スカルピーノ氏のもとに送りましたが、捜査は全く進んでいなかったそうです。地方検事局は「捜査が進まなかったのは、ボヴェル氏がもっと録音データを送ってくると期待していたから」と述べたとのこと。ボヴェル氏は2020年2月にも追加で録音を送りましたが、結局何の反応も得られなかったそうです。

ボヴェル氏は「私は、市や警察の指導者に何が起きていたのかを知らせるために、適切な手順を踏んできました。地方検事にもデータを渡しました」と語り、「今残された唯一の選択肢は、事実を国民に知らせることです」と述べ、テープを公開した理由を明らかにしました。

by Seth Granville

ボヴェル氏は、「自分の内部告発に対して報復行為があった」として、2019年に再度マウントバーノン市を訴えました。マウントバーノン市の広報担当者であるダニエル・テリー氏は声明の中で、当局による徹底的な調査を約束したものの「すべての話には2つの側面があります。真実が明らかになると確信していますし、それまで判断を保留していただくようお願いします」と述べ、訴訟中の事件についてはこれ以上コメントしないと断言しました。

Gothamistはカンポ氏やリー氏、スカルピーノ氏にコメントを求めましたが、拒否されたとのこと。ボヴェル氏は検察がマウントバーノン市警における一連の汚職を再捜査することについては懐疑的であり、「これは現実に起きています。このマウントバーノン市で起きています。それなのに何もされていないのです」と述べ、録音を公開することでマウントバーノン市警の「清算」が強制されることを望んでいると述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
なぜ人は無実の罪を犯したと自白してしまうのか? - GIGAZINE

30円盗んだえん罪で70年間拘留された女性 - GIGAZINE

「差別への抗議デモを取材したジャーナリストを不当に逮捕した」として人権団体が訴訟を起こす - GIGAZINE

Google翻訳を使った職務質問が違法であるとしてコカイン所持の現行犯が釈放される - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.