VLANを作れるアライドテレシスのスイッチを使ってたくさんある光回線の終端装置をまとめてみた
光回線によるインターネットサービスでは、光ファイバーを通った信号を変換するために光回線終端装置と呼ばれる機器を光ファイバーの終端地点に設置する必要があります。GIGAZINEでは光回線を複数契約しており、終端装置も複数設置している状況。複数の光回線を効率的に利用するため、アライドテレシスの「 CentreCOM x510 AT-x510-28GTX」を使って終端装置をまとめてみました。
通常、終端装置には複数のネットワークを中継してくれるルーターを接続しますが、ルーターを使わずサーバーを直接終端装置につなげ、PPPoEというプロトコルを使ってインターネットに接続することもできます。その場合、ネットワークの構成図は下記のようになります。
しかし、この構成では1つの終端装置が故障すると、そこにつながるサーバーもインターネットにつながらなくなってしまいます。
終端装置が故障してもすべてのサーバーが問題なくインターネットに接続できるよう、スイッチを使って終端装置とサーバー間の回線を冗長化してみます。なお、今回は終端装置の障害に強い構成を目指す対策であり、実際の環境ではスイッチは複数存在していますが、簡略化のためスイッチを1台として説明しています。
使用するスイッチはアライドテレシスのx510シリーズ。
スイッチ|CentreCOM x510シリーズ AT-x510-28GTX
https://www.allied-telesis.co.jp/products/list/switch/x510/catalog.html
実際のスイッチはこれ。28ポートのLANポートに加え、SFP+ポートが4ポートついています。
コンソールポートを使ってPCと接続します。
今回はターミナルエミュレータのTera Termを使ってコンソール画面を開きました。
x510シリーズスイッチの各種設定はグローバルコンフィグモードと呼ばれるモードで行います。「configure terminal」と入力することでグローバルコンフィグモードに入ることができます。
SSH経由で遠隔操作をしたいので、下記コマンドを実行し、24番のポートに管理用のIPアドレスを割り当てます。
awplus(config)# interface port1.0.24 ↓ awplus(config-if)# ip address 192.168.XXX.XXX/24
24番ポートにIPアドレスを割り当てたら、24番ポートをLANに接続します。これでSSH経由でスイッチの設定ができるようになりました。
今回はスイッチにVLANを2つつくり、1つのVLANに2台の終端装置と2台のサーバーがつながるようにします。VLANを設定する理由は、4台すべてのサーバーの通信が1台の終端装置に集中し、残りの終端装置3台が休眠状態となる事態を回避するため。その上で終端装置が1台故障してもサーバーが問題なく通信できる冗長性を持った構成となっています。
というわけでスイッチにVLAN10とVLAN20を設定します。
awplus(config)# vlan database ↓ awplus(config-vlan)# vlan 10,20
1番ポートから10番ポートをVLAN10、11番ポートから20番ポートをVLAN20に割り当てておきます。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.10 ↓ awplus(config-if)# switchport mode access ↓ awplus(config-if)# switchport access vlan 10 ↓ exit ↓ awplus(config)# interface port1.0.11-1.0.20 ↓ awplus(config-if)# switchport mode access ↓ awplus(config-if)# switchport access vlan 20
設定内容を保存したらスイッチの設定は完了。
write
1つのVLANに終端装置とサーバーを2台ずつ接続します。赤枠内にそれぞれ終端装置2台とサーバー2台が接続されるイメージ。
うまくいけば、終端装置がインターネットとの通信に使用されていることを表す「PC」ランプが点滅し始めます。
ルーターを経由せず、サーバーを終端装置に直接接続する事例は少ないですが、光回線を複数契約している場合はスイッチのVLAN機能を使って終端装置を冗長化することができます。
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