サイエンス

テンポの早い音楽を聞きながら運動すると「運動が楽に感じる」ことが判明

By davidpradoperucha

テンポの高い音楽を聞きながら運動を行うと、運動自体の「つらさを感じにくい」ことが判明しました。

Frontiers | The Psychophysiological Effects of Different Tempo Music on Endurance Versus High-Intensity Performances | Psychology
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2020.00074/full

Tunes for training: High-tempo music may make exercise easier and more beneficial | EurekAlert! Science News
https://eurekalert.org/pub_releases/2020-02/f-tft012920.php

High-Tempo Music Can Enhance Performance During Exercise, Study Suggests
https://www.sciencealert.com/the-right-type-of-music-during-exercise-might-act-as-a-performance-enhancer

クロアチアのスプリット大学・イタリアのミラノ大学eCampus大学ヴェローナ大学の合同研究チームは、平均年齢26.4歳の女性19人に、それぞれ90bpmから110bpmのローテンポの曲、130bpmから150bpmのミドルテンポの曲、170bpmから190bpmのハイテンポの曲を聞きながら運動をしてもらうという実験を行いました。被験者はそれぞれテンポの異なる曲を聞きながら運動を行ってもらい、運動中には心拍数を運動後には運動負荷を被験者自身が主観的に評価する(PDFファイル)自覚的運動強度(RPE)を測定しました。また、対照群として「音楽なし」の状態でも運動してもらい、心拍数とRPEを測定しました。

実験の結果、ハイテンポの音楽を聞きながら運動を行った場合、音楽なしの状態に比べると心拍数が高く、RPEが低いことが判明。この結果は、ハイテンポな音楽を聞きながら運動を行うと、運動のつらさを感じにくいことを示しています。運動時に心拍数が高いほど体力の増強に役立つため、研究チームは運動時にハイテンポの曲を聞くことは体力増進に役立つ可能性があると述べています。また、低強度の運動(ウォーキング)のほうが高強度の運動(レッグプレス)よりも、音楽の効能が大きいこともわかりました。

By arthurhidden

研究チームのLuca P.Ardigò教授は、「将来的に音楽のジャンル、メロディー、歌詞といったそれぞれの要素がが運動に与える影響も研究したいと考えています」とコメントしました。

一方、本研究を報じたサイエンス系メディアのScience Alertは、被験者は特定の年齢層の女性に限られる上に人数も少数であるため、より多様な被験者で実験を重ねるべきだと指摘しています。


なお、2019年にもカナダの研究チームが今回の研究と似たテーマの研究を発表しています。当時も「ハイテンポの曲を聞きながら運動すると、高強度の運動を長く続けられる」という研究結果が示されましたが、この研究も被験者数は16人とかなり少数でした。

High tempo music prolongs high intensity exercise
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6329333/

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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