サイエンス

3000年前のミイラの声を再現


3000年以上前にエジプトで司祭を務めていたという「ネシャムン」という名のミイラの声が、最新の科学技術を用いて再現されました。この「ミイラの声」は音声データとなってインターネット上に公開されており、奇妙な声に驚きの声が集まっています。

Synthesis of a Vocal Sound from the 3,000 year old Mummy, Nesyamun ‘True of Voice’ | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-019-56316-y


The dead speak! Scientists re-create voice of 3000-year-old mummy | Science | AAAS
https://www.sciencemag.org/news/2020/01/dead-speak-scientists-re-create-voice-3000-year-old-mummy

3000年前のミイラの声を再現するという研究では、ミイラをコンピュータ断層撮影(CT)スキャナーの中に入れ、断層撮影することでミイラの声道をスキャンし、その3Dモデルを作成しています。動物の声はこの声道の形状により異なってくるため、研究チームは声道を正確に再現することで「ミイラの声」を再現しようとしたわけです。

CTスキャナーで声道をスキャンされるミイラのネシャムン


作成された声道の3Dモデルを3Dプリンターで出力し、これを声帯の代わりに音源となる人工喉頭音源と接続することで、ネシャムンの声を再現しています。作成された「ミイラの声」は非常に短く奇妙なものですが、研究チームは「この古代エジプト人がどんな声だったかについての感覚を与えます」と記しています。

イギリスメディアのTelegraphが再現されたネシャムンの声をYouTube上で公開しているので、どんな声か気になる人は以下からチェックしてください。現代人の声と比較しやすくなるように、ミイラには母音を発声させているそうです。

What sound does an ancient Eygptian mummy make? Scientist recreate voice of 3000 year old mummy - YouTube


3000年ぶりに発声したネシャムンというミイラは、イングランド北部にあるリーズ市立博物館に展示されているもの。1824年に発掘された後、1931年にはX線での調査、1964年には内視鏡検査、1990年には放射線検査が行われてきたそうです。複数の検査から、ネシャムンは50代半ばで亡くなり、歯周病や重度の歯の摩耗に苦しんでいたことが明らかになっています。しかし、ネシャムンは「上顎と同様に『突顎』の強い『発達した下顎』があったため、明らかにヌビア人の血が流れていた」と研究チームは指摘しています。

CTスキャンされて作成されたネシャムンの声道。研究チームは「舌の筋肉量と軟口蓋の欠如は明らか」と述べました。また、再現したネシャムンの声道を成人男性2人の声道と比較し、「ネシャムンの声道は現代の成人男性のものよりも著しく小さいように見える」と研究チームは指摘しています。

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in サイエンス,   動画, Posted by logu_ii

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