地球の自転と公転がマウスで操作するだけで直感的に理解できるウェブサイト「Earth and Sun」
地球が地軸を中心に回転する自転と、太陽の周りを回転する公転を行っていることは中学校の義務教育でも学習する内容ですが、具体的な動きは教科書の図では簡略化されている上に、直感的には理解しづらいもの。エンジニアのBartosz Ciechanowskiさんが、マウスでスライダーを操作するだけで地球の自転や公転が一発でわかるデモを公開しています。
Earth and Sun – Bartosz Ciechanowski
https://ciechanow.ski/earth-and-sun/
◆地軸の傾き
地球の北極点と南極点を結ぶ地軸は、自転の中心となる軸です。地軸は公転面に対して垂直ではなく、公転軸に対しておよそ23.4度傾いています。自転している時に太陽を向いている部分が昼、その反対側は夜になりますが、Earth and Sun上のデモでは、昼と夜の境界線が地軸に対して傾いていることがよくわかります。
下のスライダーのうち、茶色い方は日付を、青い方は時間をずらすことができます。実際にずらしてみると、光の当たるところがどのように変化するかと理解できます。
また、地軸自体も太陽と月の引力の影響を受けて少しずつ動いていて、およそ2万5772年の周期でその向きが変わります。この動きを地球の歳差運動と呼びます。北極点の延長線上にあるこぐま座α星のポラリスは記事作成時点では北極星と認識されていますが、地軸がずれていくことで、少しずつ北極星ではなくなっていくとのこと。以下のデモで、スライダーを動かすと地軸の動く軌跡を確認することができます。
◆ケプラーの法則
教科書には「太陽を中心に地球が円の軌道を描いて公転している」図が描かれますが、実際の軌道は「円」というわけではありません。図の下にあるスライダーを動かすと地球(青い円)が太陽(黄色い円)の周囲をぐるぐると回りますが、その軌道は円ではなく、楕円の軌道になっていることがよくわかります。
このことは16世紀の天文学者であるヨハネス・ケプラーが発見し、「ケプラーの第1法則」としてまとめています。
また、地球が太陽の周りを公転する速さは、実は一定ではありません。地球が太陽の周囲を公転するとき、その速度が一定でないことがわかるのが以下のデモで、「惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定」というケプラーの第2法則を可視化したものです。スライダーを動かすことで、地球(青い点)が公転軌道を動きます。デモの図では、公転軌道の楕円が、地球が通過する単位時間に応じてパイのように区分されています。同じ単位時間で地球が公転する距離は、地球と太陽が離れていると短くなり、地球と太陽が近付いていると長くなっていることがよくわかります。つまり、地球と太陽の距離に応じて、公転速度は遅くなったり速くなったりするというわけです。
◆恒星日
一般的には「地球の自転周期は24時間」と考えられていますが、厳密にはズレがあります。例えば、12時ぴったりに太陽が頭上にあるとします。この時、以下の図で矢印の位置が観測者の立っている場所で、矢印の向きが頭上の向きです。
下にあるスライダーを右に動かすと、地球が自転しながら太陽の周りを公転します。そして以下が地球が360度自転した状態なのですが、矢印の位置を見ると太陽が真上にきていません。
さらにスライダーを右に動かすと、太陽が観測者の真上にやってきて、次の日の12時となりました。つまり、私たちの日常生活で使われている24時間は見かけの自転周期というわけです。地球の正しい自転周期は「恒星日」と呼ばれ、実際は23時間56分4秒ほど。それに対して見かけの自転周期である24時間は「太陽日」といわれています。
Ciechanowskiさんのウェブサイトには、他にも地球と太陽の動きを直感的に理解できるデモが用意されているので、気になる人はぜひ自分で触って確かめてみてください。
・関連記事
宇宙は無数の小さな「時空の泡」でできているのかもしれない - GIGAZINE
「宇宙より古い星」の発見から始まる宇宙のミステリーとは? - GIGAZINE
観測史上2例目の「恒星間天体」の撮影にハッブル宇宙望遠鏡が成功 - GIGAZINE
夏至とは何か? - GIGAZINE
24時間明るい「白夜」で生物の睡眠サイクルはどんな変化を遂げているのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ