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虚偽の通報で無関係な人をSWATに射殺させる「スワッティング」の依頼者にも有罪判決が下る

by Rob Briscoe

虚偽の通報を行って相手の家を特殊部隊SWATに包囲させる悪質ないたずら「スワッティング」により無関係な第三者が死亡した事件で、スワッティングの電話をするよう犯人に依頼した当時17歳のケーシー・ヴィナーに有罪判決が下りました。

Ohio gamer sentenced to 15 months prison in 'swatting' case
https://www.apnews.com/b54996cd2d154bf8a5a2d51a3bb3ae56

Ohio gamer sentenced to 15 months prison for fatal 'swatting' case
https://www.nbcnews.com/news/us-news/ohio-gamer-sentenced-15-months-prison-fatal-swatting-case-n1054331

Casey Viner: Teenage US gamer jailed over deadly 911 hoax - BBC News
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-49710933

Casey Viner, who solicited a 'swatting' call that led to a death, gets 15 months in prison - CNN
https://edition.cnn.com/2019/09/14/us/swatting-sentence-casey-viner/index.html

2017年12月28日に、オハイオ州シンシナティに住んでいた当時17歳のケーシー・ヴィナーは、当時19歳のシェーン・ガスキルと人気FPSゲーム「Call of Duty: WWII」で1.5ドル(約160円)を賭けて勝負をしていました。このゲームで、自分のキャラクターがガスキルにやられたことに腹を立てたヴィナーは、当時25歳のタイラー・レイ・バリスに対し、ガスキルにスワッティングを仕掛けるよう依頼します。しかし、ガスキルは住所を聞き出そうとしたバリスに古い住所を教えたため、そこに住んでいた無関係な第三者であるアンドリュー・フィンチ氏がSWATにより射殺されてしまいました。

この事件についての詳細は以下の記事を読むとよく分かります。

オンゲープレイヤー同士のいさかいから全く無関係の人が警察官に射殺される事件が発生、一体何が起こったのか? - GIGAZINE


バリスは緊急通報電話で警察に対し、「父を銃で撃ち、ほかの家族を人質にした。これから家に火をつけて自殺するつもりだ」と、銃撃犯を装った通報を行い、ガスキルのものと勘違いした住所を伝えました。これを受けて駆けつけたSWATによりフィンチ氏は銃撃されて重傷を負い、搬送先の病院で死亡してしまいました。

虚偽の通報により死亡したフィンチ氏(当時28歳)


インターネット上で「SWAuTistic」のハンドルネームを名乗っていたバリスは、ゲーマー界隈では「スワッティング請負人」として有名で、本件の他にアメリカの複数の州警察やカナダの警察当局に対し虚偽の通報を行うなど合計51件もの同様の事件で有罪が確定しています。

そのバリスに対し、カンザス州地方裁判所のエリック・メルグレン判事は2019年3月29日、通常10年の量刑ガイドラインの2倍となる懲役20年の判決を言い渡しました。メルグレン判事はAP通信の取材に対し、「本件は未踏の法的領域に踏み込んでいる」と話し、事件の重大さに法制度が追いついていないとの見方を示しました。

判決を聞くバリス。


バリスにスワッティングを依頼したとして逮捕されていたヴィナーは2019年4月3日に開かれた裁判で、バリスと共謀した罪とバリスと連絡を取った痕跡を消去しようとしたことによる司法妨害の罪を認めていましたが、判決は確定していませんでした。

その後、バリスの裁判でも判事を務めたメルグレン判事は9月13日の法廷で「犯罪の深刻さを反映し、司法制度が機能していることを国民に示す必要がある」として、ヴィナーに懲役15カ月を言い渡しました。また、懲役刑と併せて、罰金として2500ドル(約27万円)の支払いが命じられたほか、釈放後2年間の監察が課され、その間オンラインゲームのプレイは禁止されるとのことです。


法廷で「大変申し訳ありませんでした。何かを起こそうとするつもりはなかったのにと、毎日考えています」と発言したヴィナーに対し、メルグレン判事は「スワッティングにより何が起きるかは簡単に予想がついたはず。我々は何をするつもりだったかでなく、何をしたかによって判断します」と話したとのことです。

法廷でのヴィナーの様子についてAP通信は「たびたび息を詰まらせていて、がっくりした様子だった」と伝えました。また、法廷にはヴィナーの両親が同席していましたが、ヴィナーの母親は泣きながら退廷し、オハイオ州ハミルトン郡の保安官だという父親は頭を抱えるしぐさを見せたとのこと。

4月3日に開かれた法廷の後、裁判所を後にするヴィナー。


また、ヴィナーのオンラインゲームの相手だったガスキルも、バリスに自分の古い住所でもあったフィンチ氏の住所を教えて「『何か』するなら試してみろ」と発言したとして、ヴィナーと同様に共謀の罪に問われていますが、司法取引により起訴が取り下げられる可能性もあると伝えられています。

カンザス州ウィチタに住むガスキル。

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in メモ,   ゲーム, Posted by log1l_ks

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