カメレオンのように物体の色を変えられる「Photo-Chromeleon」をMITが開発、色は何度でも繰り返し変更可能
マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューターサイエンスおよび人工知能研究所(CSAIL)のチームが、再プログラミング可能なインクを用いて、紫外線や可視光線にさらされると物体の色を変化させられる「Photo-Chromeleon」という技術を開発しました。このプロセスは可逆的なもので、色の変化は何度でも繰り返し行うことが可能です。
Photo-Chromeleon: Re-Programmable Multi-Color Textures Using Photochromic Dyes
https://hcie.csail.mit.edu/research/photochromeleon/photochromeleon.html
Objects can now change colors like a chameleon
https://techxplore.com/news/2019-09-chameleon.html
「Photo-Chromeleon」がどういう技術なのかということは、以下のムービーを見ると把握可能です。
Photochromeleon: Creating Color-Changing Objects - YouTube
カメラの前に置かれたスニーカー
光が照射されて……
なにやら文様が浮かび上がります。
それが落ち着くと、側面に柄が印刷されていました。
同じように、スマートフォンカバーの背面にも……
五重塔が印刷されました。
柄は何度でも変更可能。
ムービーの後半には、実際に「Photo-Chromeleon」用の塗料と、どのように「色を変化させられる物体」を作るのかというメイキングが収められています。
3本の「フォトクロミック染料」。
紫外線を当てると青・赤・黄の3色に変化しました。
この染料を混ぜて、マルチカラーインクを作成します。
できたインクを物体に吹き付けて定着させます。
これは「着色」のためのシステム。左側はDLPプロジェクターと紫外線投射装置があり、右側には物体を置いた回転台があります。
ユーザーは対象となる物体の3Dモデルを使って……
どのような色に塗り分けるかを指定します。
あとは、先ほどの「着色」システムにお任せ。
色のパターンがプロジェクター経由で物体に投射されます。
台が回転して、四方向の投射を実施。
これで物体は、指定した色に着色されます。
着色した模様は紫外線で消すことができます。
消したら、また新しい模様を上から「着色」すればOK。
色はこうして、何度でも変更することができます。
この技術を開発したのは、特殊インクを3Dプリントできる「ColorFab」を開発したのと同じチーム。
光を照射するだけで物体の色を変更可能な特殊インクを3Dプリント可能な技術「ColorFab」 - GIGAZINE
チームによると、染料の制限などから利用可能な色域が限られているため、より幅広い色域を作れるようにするのが課題だとのことです。
・関連記事
肌と同じ色に溶け込み目立たないバンソウコウ「Chameleon Bandage」 - GIGAZINE
黒色を超越した「世界で最も黒い物質」が誕生、コーティングされたものの凹凸は目視では判別不能に - GIGAZINE
200年ぶりの新しい青「YInMnブルー」はどのようにして研究室から生まれたのか?そして新しい「赤」は見つかるのか? - GIGAZINE
ルネサンス期のヨーロッパ人の心をわしづかみにした「赤色」は小さな虫をすりつぶして作られていた - GIGAZINE
世界で最も高価な色、金より貴重な顔料「ウルトラマリン」の歴史 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in サイエンス, 動画, Posted by logc_nt
You can read the machine translated English article MIT has developed 'Photo-Chromeleon' tha….