「黒人のモーセ」と呼ばれ新20ドル紙幣の顔にも選ばれた奴隷解放運動家の生涯を描く「Harriet」予告編
黒人奴隷が当たり前だった19世紀に多くの奴隷を引き連れて脱走を主導し、「黒人のモーセ」とも呼ばれて20ドル新紙幣の顔にも選ばれた奴隷解放運動家・女性解放運動家のハリエット・タブマンの伝記映画「Harriet」の予告編が公開されています。主演を務めるのは、ミュージカル版「カラーパープル」で2016年にトニー賞の主演女優賞を受賞したシンシア・エリヴォです。
HARRIET - Official Trailer [HD] - In Theaters November 1st - YouTube
スカートをたくし上げて一心不乱に走って逃げる女性。
しかし、やがて追っ手に見つかり、橋の上で挟みうちに。
「おい、落ち着けよ……」という追っ手に対して……
「死ぬよりは自由を選ぶ!」と橋から身を乗り出して……
激流の中に飛び込みました。
ハリエットが生きたのは、19世紀のアメリカ。南北戦争直前で、南部では当たり前のように黒人が奴隷として使われていた時代です。
100マイル(約160km)もの距離を逃げてきたハリエットは、北部で自分と同じ黒人でありながら、奴隷から解放されてドレスに身を包む女性に拾われました。
無事逃げ出せたハリエットですが、拾ってくれた女性のもとに身を寄せるのではなく、自分と同じ境遇の奴隷を自分と同じように脱出させようと決意。
ハリエットは自らの意志で、かつて自分を奴隷として使っていた南部へ戻ることに。
自分の命は自分で守る、と銃の使い方を習うハリエット。
保安官に身分証明書類を見せるよう命令されます。
「身長が5.5フィート(約167cm)と書かれているが、どう見ても5フィート(約152cm)もないようにしか見えないのだが?」と保安官が不審がり、後ろ手で拳銃を握りしめるハリエット。
一緒にいる黒人たちはハリエットの行動に気づき、ぎょっとした表情を浮かべます。
そしてハリエットを救いだそうとする奴隷の男性との出会い。
ハリエットは奴隷を引き連れて、安全な北部へ結ぶルートを何度も往復して誘導します。
もちろん奴隷の脱走や、脱走奴隷をかくまうことは違法。脱走した奴隷を連れ戻すための調査隊がハリエットや奴隷たちを追いかけ、ハリエットの首には高額の賞金がかけられました。
「君はラッキーだっただけだ」とこれ以上の危険な任務をやめるようにいわれますが、ハリエットは「私に何ができるかをあなたが決めて命令しないで」と固い意志を見せます。
しかし、追っ手に首をつかまれるような危険な場面も。
「神様は人が人を所有することなんて認めてない!」と叫ぶハリエット。
追っ手は銃口を向けて容赦なく発砲。
馬に乗りながら、ハリエットは拳銃をぶっ放します。
「彼女を見つけて火あぶりにすべきです!」と叫ぶ女性。
群衆の中でヒットマンがハリエットに向かって銃を向けます。
「ハリエット!」と男性が叫んで飛びかかります。
銃声と呼び声に振り返るハリエット。
必死の形相で脱走する大量の奴隷たち。
子どもを守るために、ハリエットは左手に子どもを抱え、右手に銃を構えます。
集められる軍隊。
大軍が銃を構えて立ちはだかりますが……
ハリエットもライフルを抱えて戦う意志を見せます。
「Harriet」は2019年11月1日にアメリカで全国公開されますが、日本での公開日は未定です。
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