ソフトウェア

キヤノンのEOSシリーズがめちゃくちゃ使いやすくなる非公式ファームウェア拡張「Magic Lantern」


Magic Lantern」はキヤノンの一眼レフブランドである「EOSシリーズ」のファームウェアの非公式拡張ソフトです。GNU General Public Licenseの下でオープンに開発されるフレームワークとなっていて、SDカードに入れてインストールするだけで公式ファームウェアのさまざまな機能を拡張・追加することができます。

Magic Lantern | Home
https://www.magiclantern.fm/

Magic Lantern v2.3 - Install Guide 日本語
https://wiki.magiclantern.fm/ja:install


Magic LanternはキヤノンのEOS 5D Mark IIで撮影を行う自主制作映画作家によって開発されたものとのこと。たとえば、EOSシリーズでは、一部の映画撮影向けのハイエンド機種を除いて、撮影したムービーはH.264コーデックでエンコードして保存されます。つまり、あとで確認できるデータは実際に撮影した映像ではなく、圧縮のためにデータの一部をそぎ落としたものというわけです。しかし、Magic Lanternをインストールすることによって、無圧縮のムービーを撮影・保存することができます。

EOS 5D Mark IIIで、H.264エンコードとMagic Lanternを使った撮影を比較した以下のムービーを見るとその違いがよく分かります。レンズはキヤノン純正の24mm・F1.4と70-200mm・F2.8を使用しているとのこと。

Canon 5d Mark III Magic Lantern (Raw vs H.264) test 2 - YouTube


Magic Lanternは、ムービーだけではなく、写真の撮影機能も拡張してくれます。例えばライブビューモニターに露出計測や色分布を表示したり……


露出オーバーと露出アンダーをゼブラパターンで表示させたり……


フォーカスパターンを追加したり……


クロップマークや独自のグリッドを表示することができます。


そのほかにもMagic LanternにはISOの詳細設定、センサー温度表示、最大8時間までシャッターを開放できるバルブ機能、省電力機能など、多種多様な拡張機能が搭載されているとのことでした。


Magic Lanternにはキヤノンが開発したコードは一切含まれておらず、あくまでも有志による試行錯誤の上で開発が続けられているものになっています。そのため、法的に問題はないそうですが、100%安全に機能するとはいえないそうです。キヤノンのファームウェアを上書きすることはありませんが、一部設定を変更するため、不正な値を書き込んでしまったら起動しなくなることも考えられるとのこと。Magic Lanternの使用による不具合は保証の対象外になる可能性があるので、導入は自己責任で行う必要があります。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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