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Googleの検索結果に店舗情報を表示する「Googleマイビジネス」を悪用した詐欺が登場


インターネットの発展によって、いつでもどこでも情報やお金をやりとりできるような便利な世の中になった反面、何も知らない人を食い物にしようとする詐欺が年々増加しています。Microsoftのソフトウェア開発者であるAbhijit Tomar氏が、Googleに掲載されているビジネス情報を利用した新手の詐欺手口を紹介し、警鐘を鳴らしています。

New form of Google banking scam
http://blog.abhijittomar.com/2018/10/19/google-business-claim-scam/


Googleで会社や店について検索すると、その会社や店の住所や電話番号、開店時間、口コミのレビューなどがカードで検索結果トップに表示されます。このカード表示はGoogleが提供する「Googleマイビジネス」によるもので、スマートフォンで表示すればそのまま直接電話をかけることも可能です。


ある日、Tomar氏はいとこから「電話バンキングの詐欺にあって9000ルピー(約1万4000円)をだまし取られた」という連絡を受けたとのこと。Tomar氏によると、いとこはコンピューターや取引に詳しくない素人というよりはむしろ「テクノロジーに精通した20代の若者」だそうです。

クレジットカードを使ったオンライン取引に失敗したTomar氏のいとこは、銀行支店に問い合わせをするためにGoogleで電話番号を検索し、何の疑いもなく直接電話をかけたそうです。Tomar氏のいとこは、銀行員を名乗る人物が電話に出たことに安心して、求められるがままにクレジットカードの番号やセキュリティコードを話してしまいました。その直後、いとこの口座からお金が引き出されてしまっていたとのこと。

実は、Googleの検索カードに表示されていた電話番号は、銀行の支店のものではなかったとのこと。Tomar氏が調査したところ、同じ地域の複数の銀行支店の電話番号が同じ詐欺師に登録されていたことがわかりました。地元の銀行支店の検索カードの中には「この電話番号は偽物です」という口コミが書き込まれているものもあったそうです。


Tomar氏は、「いとこが自分のカード情報をそのまましゃべってしまったのはあまりにも愚かな行為だ」という批判は理解できるとした上で、いとこが「Googleは正確な情報を提供する」と信用していたために起こった悲劇でもあると述べています。この事実は、Googleに会社情報を登録することがどれだけ簡単なのかということを示しています。実際に、Googleは会社情報がいかに簡単に登録申請できるかを以下のムービーで解説しています。

How to add or claim your business on Google - YouTube


また、既に正しいビジネス情報が登録されていても、悪意ある第三者が異議申立てを行うこともできます。この場合、元の所有者が何も対応をしなければ、そのまま第三者のアカウントにビジネスページの管理権が移譲されてしまう可能性があり、実際に同様の被害にあったユーザーからの報告もあります。Tomar氏は、インドの銀行が自分のウェブサイトではない場所に表示されている情報について責任を負いかねるだろうし、Googleから送られてきた異議申立ての通知にも気づいていないのだろうとコメントしています。


テクノロジーが便利になるにつれて、あらゆるアプリやウェブサイトを通じて行われる数多くの取引は「信用」の上に成り立っている、とTomar氏は主張しています。ユーザーはGoogleの情報の正確性を信用していて、Googleはビジネス情報の登録申請者を信用しています。しかし、Googleに掲載されている情報はユーザーが投稿したものであり、誰かがその正確性を審査していないことはよくあるため、Googleに掲載されている情報をすぐに信頼するべきではない、とTomar氏は警戒を促しています。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1i_yk

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