クルマの新車の匂いを太陽の熱で「焼く」ことで消滅させる特許をフォードが出願
By HB MotorSports
ピカピカの新車のドアを開けたときの、特有の「新車の匂い」は好き嫌いが分かれるもので、大好きという人がいる一方で、中国では「不快なにおい」という苦情が少なからずあるそうです。そんな中国市場の状況を鑑み、アメリカの自動車大手「フォード」は太陽の熱やカーエアコンのヒーターなどを使ってニオイの元を熱で焼き飛ばしてしまう特許を出願しました。
Ford seeks patent on getting rid of new car smell
https://www.freep.com/story/money/cars/ford/2018/11/19/ford-new-car-smell-patent/2027822002/
日本やアメリカでは比較的好まれる傾向にある新車の匂いですが、中国では自動車を購入したユーザーの10%がこのニオイに対して強いクレームを申し入れているとのこと。フォードはこのような顧客からの反応に対処するため、自動車がひとりでに適した場所に移動してニオイの元を絶ちきる技術を考案し、特許を出願しました。
Patent Images
フォードが特許出願した技術は、ニオイを消すために最適な場所を自動運転車が自ら選んで移動し、車内を高温状態にしてニオイの元を絶つというものです。車内を効率的に高温にするために、自動車に搭載されたAIはサーバーから天候データを受け取り、太陽光を最も良く浴びられる場所へと移動。現場に移動したら車内のヒーターをオンにし、窓をほんの少しだけ開けていやなニオイを車の外へと追い出します。
「新車の匂い」は、新しく組み付けられたインテリアの部品に含まれる有機物や、接着剤などの物質から生じていると考えられており、このニオイは製造時から日にちがたつにつれ減少します。フォードが考えた技術は、車内を高温にすることでこのプロセスを人為的に速めようというものです。
なお、フォードの技術関連責任者であるDebbie Mielewski氏はこの技術について「アイデアの一つ」とし、仮に特許が認められたとしても実際の車に搭載する見込みは今のところないと表明。ただ、アメリカ国内から中国戦略をコントロールしたい意向を持つフォードは目下中国市場で苦戦中であるため、起死回生の一発として中国市場に特化したオプション装備として「新車の匂い飛ばし」が設定される可能性はゼロではなさそうです。
・関連記事
ダークナイトみたいに自動車から一輪車へ変形する車両の特許をフォードが取得 - GIGAZINE
Appleがドライバーの意図をくみとって駐停車できる自動運転車技術の特許を出願 - GIGAZINE
Googleが自動運転車のドア単体にまで特許を取得していたことが判明 - GIGAZINE
トヨタが自動運転車の特許をGoogleより多い1400件以上申請していたことが判明 - GIGAZINE
自動車メーカーからの脱却を目指すフォードのキーマンは創業家出身の元CEOビル・フォード - GIGAZINE
・関連コンテンツ