ポーランドの山奥だけで作られる美しい幻のチーズ「Oscypek(オスツィペック)」
童話に出てくる糸紡ぎのような形で、中央に美しい模様が入っている「Oscypek(オスツィペック)」はポーランド南部の山岳地帯でだけ作られている伝統的な燻製チーズです。15世紀から伝わるポーランドでしか味わえないチーズを、伝統を打ち破って唯一の女性職人として作り続けているJanina Rzepkaさんに、Great Big Storyが迫っています。
This Rare, Golden Cheese Is Only Made in the Polish Mountains - YouTube
美しい模様入りのチーズ「オスツィペック」は「今日では珍しく、ここでしか食べられません」と語られるもの。
山の上に立つ女性。
「羊飼いとして農家を営むことは私たちの情熱です。私たちの人生すべてなのです」と語るのはJanina Rzepkaさん。
Janina Rzepkaさんが暮らすのはポーランドのブコビナ・タトシャンスカという地域。15世紀ごろから、この地域では特別なチーズが手作りされてきました。
それが、オスツィペック。
一見すると固そうに見えますが、スッとナイフが入っていることから、滑らかな質感であることが見てとれます。
このチーズを作るのが、バッツァと呼ばれるオスツィペック職人のRzepkaさん。Rzepkaさんは何十人いるバッツァの中で唯一の女性だそうです。
かわいらしいキッチンの中で作業するRzepkaさん。
通常、羊飼いやオスツィペック作りは男性の仕事で、技術は父親から息子へと受け継がれていきました。
しかし、Rzepkaさんはその伝統を破り、バッツァへとなった人物なのです。
Rzepkaさんはチーズ作りを夫から学びましたが、その夫も父親から教わったわけではなく、こっそりと他のバッツァのチーズ作りを見て独自に作り方を学んでいったとのこと。
羊を追うかつてのRzepkaさん。
そして、夫がやったのと同様に、Rzepkaさんはこっそりと夫の作業を見てチーズ作りを学んだそうです。
「私の1日は早くに始まり、遅くに終わります」
まずは羊たちのいる場所に行って……
乳搾り。オスツィペックの材料の60%は羊のミルクであることから、ミルクの質が非常に重要になってきます。
羊たちがどの草を食べるのか、どれだけ寒冷な環境にいるのかは、非常に気を使うところ。
「どんな天気でも私たちは羊を世話しますし、常に一緒にいます」
そして、羊飼いの小屋にミルクを持ち帰り……
大きな銅製の鍋に入れて加熱。
Rzepkaさんの手の先にある巨大な鍋がそれ。
その後、ミルクは1時間かけて凝固されます。布の中にはミルク以外にハーブのようなものもちらりと見えています。
熱そうなチーズを手でこねていくRzepkaさん。チーズ作りの作業は全て人の手で行われ、機械の出る幕はありません。
熱いお湯にチーズをつけつつ、手で何度もこねて十分に柔らかくなったら……
チーズを型にはめていきます。
そしてチーズを冷たい水に入れいったん冷やしてから、塩水につけます。大きめのオスツィペックは24時間ほど塩水につけられるとのこと。
塩水から引き上げたチーズを乾燥させた後に、棚に並べてスモーク。
そうすると、外側はほのかに茶色く……
中はクリーム色という、滑らかなオスツィペックが完成。
全てが手作業で作られるオスツィペックは、他に類がない、独特の味だとRzepkaさんは語ります。
「オスツィペックはここタトラ山で、長い間ずっと人々の手によって作られてきました」
「世代を超え、受け継がれてきたのです。私の人生においてこれ以外のことをするなんて考えられません」
・関連記事
モッツァレラチーズをお餅のようにコネつつお家で手作りする方法まとめ - GIGAZINE
できたてモッツァレラの巾着から濃厚でリッチなクリームがこぼれ出る至福の食べ物「ブッラータ」試食レビュー - GIGAZINE
約3300年前の「世界最古のチーズ」が発掘され、食べたがる人がネットに続出 - GIGAZINE
チーズには麻薬並の中毒性があることが研究により判明 - GIGAZINE
「さけるチーズ」が参考にしたというメキシコのチーズを現地で裂きまくってきた - GIGAZINE
世界一多くのチーズを使った「101種類のチーズのピザ」爆誕、タートルズの「幻のピザ」からインスパイア - GIGAZINE
世界で最も高価なチーズは「ロバのミルク」から作る - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in 動画, 食, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article Beautiful visionary cheese 'Oscypek' mad….