VRを使ってスポーツ選手の動体視力を向上させることが可能なシステムが登場
「SyncThink」はバーチャル・リアリティ(VR)ヘッドセットとニューロテクノロジーや脳分析を組み合わせ、眼球運動障害や前庭機能障害などを診断可能なデバイス「Eye-Sync」を開発する企業です。そのSyncThinkが新しいソフトウェアを発表しており、これを使えば健康なアスリートでも多くのスポーツで重要となってくる「動体視力」を鍛えることが可能になるそうです。
SyncThink Adds Dynamic Vision Training to Suite of VR Tools
https://www.sporttechie.com/syncthink-vision-training-eye-sync-concussion-fatigue/
SyncThink uses VR analytics to examine sports athletes for possible concussions | VentureBeat
https://venturebeat.com/2018/08/27/syncthink-uses-vr-analytics-to-examine-sports-athletes-for-possible-concussions/
SyncThinkが新たに開発した動体視力を鍛えるというソフトウェアは、スポーツ選手が怪我などを負ってリハビリを行うようなタイミングで使用することで、リハビリプロセスをサポートすることを目的としたもの。リハビリ期間にスポーツに応用できる能力を鍛えることができ、さらに怪我を負うことを防ぐことにもつながるとのことです。このソフトウェアはこれまでSyncThinkが提供してきたサービスと連携したものになるとのことで、ユーザーはリアルタイムで瞬時にフィードバックを得ることができ、段階的なトレーニングを行うことも可能。
SyncThinkの創業者であり、チーフサイエンティフィックアドバイザーも務めているJam Ghajar氏は、「アスリートの中には健常者であっても『スポーツを行うのに最適ではない視力』を持つ人が一定の割合いることがわかっています。しかし、こういった人々は視覚野の特定領域に焦点を当てたトレーニングを行うことで、視力をスポーツに最適化することができます。我々は動体視力および脳全体のパフォーマンスを素早く改善可能なトレーニングを開発したのです」と語っています。
Ghajar氏によると、アスリートでありながらスポーツに適した視力を持っていないという人々は、怪我を負いやすいことが研究により明らかになっているそうです。そういった人々がSyncThinkの新ソフトウェアを使って動体視力を鍛えることで、怪我のリスクは軽減し、アスリートとしてのパフォーマンス自体も向上することが見込まれるとのこと。
SyncThinkでCEOを務めるLaura Yecies氏は、「エリート選手はその分野で高い成功をおさめるために優れた視覚的協応と予測能力を必要としています。また、同時にスポーツ選手としてのスキルを向上させることに高い意欲を持っています」と語っています。つまり、Yecies氏は動体視力を向上させることができるSyncThinkのソフトウェアが、多くのスポーツ選手の興味を引くに違いないと考えているわけです。
なお、既に一部のスポーツクラブや大学がSyncThinkとパートナーシップを結んでおり、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズやパシフィック12カンファレンス、ジョージア大学などが健康なアスリートの動体視力を鍛えることが可能なこのソフトウェアを利用する予定となっています。
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