1秒に約1GBの高速転送が可能なSDカード新規格「SD Express」＆最大容量128TBの「SDUC」登場

メモリーカードの規格を定めるSDアソシエーションが、最大転送速度985MB/sの「SD Express」を発表しました。SATA接続のSSDよりも高速なSDカードが登場することになります。また、SDカードの最大容量は「SDUC」により128TBまで拡張されます。

SD EXPRESS – A REVOLUTIONARY INNOVATION FOR SD MEMORY CARDS
(PDFファイル)https://www.sdcard.org/press/SD_EXPRESS_A_REVOLUTIONARY_INNOVATION_FOR_SD_MEMORY_CARDS.pdf

SD Expressの概要は以下のムービーで解説されてます。

SD Express - Revolutionary Innovation for SD Memory Cards - YouTube


自動車、カメラ、スマートフォン、ゲーム機、IoT端末、VR、360度ムービーカメラ、4Kストリーミングムービーなど、需要に合わせてさまざまなコンテンツが日々、生み出されています。

そこで求められているのは「速くてスケーラブル(大容量)」なストレージ。

そんな要求に応えるべく誕生したのが「SD Express」です。

SD ExpressはSD 7.0として仕様が定められているので、既存のSDカードとの下位互換性を保っています。

その上で、「PCI-Express」インターフェースと「NVMe」プロトコルを採用。

これにより、985MB/sという従来のSDカードとは段違いの高速転送を実現します。これだけ速いと「リムーバブルSSD」としても活用できます。

SD ExpressではPCI-Express Gen3とNVMe 1.3をサポート。UHSで用いられるSDカードのセカンドローピンで対応します。

「バスマスタリング」「マルチキュー」「メモリバッファーホスティング」など、システム開発者にも様々な恩恵を与えます。

SD Expressでは従来通りに3.3Vと1.8Vの電圧に対応。さらに、NMVeの持つ状況に応じたパワーコントロール機能を活用できます。

SD Expressは新しいアプリケーションに対応する、最適のソリューションになります。

ムービーで説明されていた通り、PCI-Express Gen3接続が可能なSD Expressは、最大転送速度が985MB/sまで増加します。

追加機能はセカンドピンで対応するとのこと。なお、拡張ピンは残されているため、将来的にさらなる機能向上が期待できます。

SD Expressのロゴは以下の通り。

SD 7.0として仕様が決定されたSD Expressは、既存のSDカード対応端末への下位互換性も確保されています。

SD Expressのホワイトペーパーは以下のページで確認できます。

SD Express Cards with PCIe and NVMe Interfaces
(PDFファイル)https://www.sdcard.org/downloads/pls/latest_whitepapers/SD_Express_Cards_with_PCIe_and_NVMe_Interfaces_White_Paper.pdf

・おまけ
SDアソシエーションは新たに「SD Ultra Capacity(SDUC)」カード規格も正式発表しました。これまでのSDXCで2TBだったSDカードの最大容量は、SDUCによって128TBまで拡張されます。

SD Express - SDメモリカードが更なる革新的進化へ | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20180626006672/ja/

超高速＆大容量のSDカードの登場で、モバイル端末やドローン、IoT端末など様々な分野で新たなアプリケーションの登場を期待できそうです。