CGではなく実写のリアルな光の軌跡を写真にした「Light Painting(ライトペインティング)」
ライトペインティングを新たな次元に引き上げたPiexlstick登場以降、開発元の思惑を超えた使用方法で新たな作品を次から次と作り続けてきた山崎恵水作の「光の軌跡」作品集「Light Painting」がAmazon Kindleでリリースされました。
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以下がその一部です。
一体これらの写真は何なのでしょうか?その謎に迫ります。
◆普通のライトペインティングとの差は?
通常のライトペインティングというのは、たいまつを振り回したり、花火をぐるぐる振り回したり、ライトを振り回したりしたものを、長時間露光として撮っているものです。これらは一次元、基本的に「単色点光源」なので、ただ単に光の「筋」に過ぎません。
炎を振り回して作ったライトペインティングの例
by Mark Walker
ライトを振り回して作ったライトペインティングの例
by christopher simon
一番身近な例で多くてわかりやすいのは、自動車のヘッドライトがずっと高速道路で走って行くもの。一番みんながよく知っているはずです。
by Romain Joly
もうちょっと凝ったものだと、虹とか縞とか水玉、あとは写真で撮った画像そのままを使っている場合です。かつてGIGAZINEでPixelstickをレビューした際の以下の画像がまさにそれです。
虹模様の例
写真で撮った画像そのままの例
一方で今回の山崎恵水作の作品集「Light Painting」とこれまでのライトペインティングとの間には、実に大きな隔たりがあります。
すさまじいクオリティの写真が世界中から集まる「500px」で高い評価を得た以下のような作品の数々を見るとわかりやすいです。
KeisuiさんによるRibbon - 写真 136276525 / 500px
光そのものに独自に作成した模様や画像を入れていき、その画像を光源として動かした「光の軌跡」なのです。
KeisuiさんによるRainbow - 写真 134794613 / 500px
そのため、オリジナリティが桁違いに高くなっています。
KeisuiさんによるLightpainting(Bird) - 写真 88521145 / 500px
また、適当に振り回して偶然性に頼って作られたのではなく、作家自身の意図するような「光の軌跡」をイメージして動かして撮影することで作られています。
KeisuiさんによるLightpainting around a car - 写真 90705649 / 500px
普通のライトペインティング作品と一見するだけではるかに上のレベルの完成度を感じてしまうのはコレが原因です。
KeisuiさんによるLightpainting(Pixelstick) - 写真 90005729 / 500px
あまりにも完成度が高く、一見すると「CG」に見えてしまいますが、見ての通り、すべて「実写」です。
KeisuiさんによるLightpainting - 写真 89891243 / 500px
「実写である」というのを意識して鑑賞してみると、一次元の点光源としての光の軌跡とはまったく違い、二次平面の光源の軌跡による美しさを、直感的に理解できるはずです。
そして、500pxにて公開されている約50作品の実に4倍以上もの作品数、約230作品を詰め込んだのが、今回の「光の軌跡」作品集「Light Painting」なのです。
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・つづき
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