メモ

16世紀の本から「中世ヨーロッパのメガネ跡」が見つかる


メガネの発明は、視力が低下した人でも目を極端に近づけずに本の文字を読んだり、遠くの物を見たりすることを可能にしました。そのため大きく人類史に影響を与えたともいわれるメガネの発明ですが、発明者の名前が正確に特定されているわけではなく、発明者については諸説あるとのこと。そんなメガネが中世ヨーロッパで使われていた証拠が、中世の写本に残っていたそうです。

Early printed book contains rare evidence of medieval spectacles
http://sites.utexas.edu/ransomcentermagazine/2012/04/17/medieval-spectacles/

これまでにメガネの発明者として多くの人々が名前を挙げられてきましたが、そのいずれも確かな証拠がないことが最近の研究者らによって示されています。メガネの発明者が誰かを特定することはできていませんが、おそらく13世紀にイタリアのピサ近辺に居住していた職人が作り出したと考えられているそうです。


13世紀に発明されたメガネは、14世紀になるとヴェネツィアで製造・販売が行われるようになり、15世紀になるとヨーロッパのほとんどの国々で製造・販売されるようになりました。イングランドでは数千ものメガネが輸入されており、フィレンツェがヨーロッパのメガネ生産をリードしていたことがわかっています。

ところが、ヨーロッパで広くメガネが生産されたこと自体は判明しているものの、当時のメガネを実際に発見することは非常に困難です。たとえば、メガネの生産が盛んに行われていたフィレンツェであっても、これまでに1組のリベット留めメガネしか見つかっていないません。しかしそんな貴重な中世ヨーロッパにおけるメガネの痕跡が、テキサス大学オースティン校の図書館「ハリー・ランサム・センター」で見つかったとのこと。

by Sérgio Bernardino

ハリー・ランサム・センターのスタッフが古い本の検査を行っていたところ、ページの上に赤茶けたメガネ型のシミがついていることを発見しました。メガネの跡が残っていた本は、16世紀に活躍した宣教師であるルイス・デ・グレナダ氏が書いた写本だったとのこと。

本のページにメガネの跡が残っているというケースは、ワシントンにあるフォルジャー・シェイクスピア・ライブラリーの写本などでも見つかっているものの、発見されるのは非常に珍しいそうです。初期のメガネは金属や骨製のリムで2つの凸面ガラスが覆われており、2つの凸面ガラスとリムをリベットで接続し、鼻の上や目の前で固定することができました。それから少し後の時代になると、リベットの代わりに革製のフレームを使用したメガネが登場しており、今回発見されたメガネは革製フレームを使用したメガネの可能性が高いと報告されています。

ハリー・ランサム・センターの報告によれば、メガネの跡がついたページはグレナダ氏が写本を記した時代よりも、さらに古い時代の本から再利用した羊皮紙が使われているとのこと。メガネの跡が残ったパターンとしては、グレナダ氏が羊皮紙を再利用した時にはすでにメガネの跡がついていたパターンと、グレナダ氏が写本を作った後に、古い時代のメガネを使い続けていた人によってメガネの跡がつけられたパターンが考えられると、ハリー・ランサム・センターは述べています。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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