オートパイロットで走行中のテスラ・モデルSがパトカーに激突して全損させる事故が発生
テスラ車に搭載されている「オートパイロット」機能を使って道路を走っていたテスラ・モデルSが、停車中のパトカーに突っ込んでしまうという事故がアメリカで起こりました。オートパイロット機能作動中の事故はこれまでにもたびたび報告されており、今回は追突されたパトカーが全損するほどの事故となっていたようです。
Tesla in Autopilot mode crashes into parked Laguna Beach police cruiser
http://www.latimes.com/local/lanow/la-me-ln-tesla-collision-20180529-story.html
この事故はカリフォルニア州ロサンゼルスから50kmほど離れた場所で現地時間の2018年5月29日に発生したもの。パトカーを運用していたラグナビーチ警察に所属するジム・コータ巡査部長によると、事故が起こったのは午前11時7分で、幸いにパトカーには誰も乗っていなかったとのこと。一方、モデルSを運転していたドライバーは軽傷を負いましたが、救急搬送をかたくなに拒否していたとも伝えられています。
コータ氏によると、約1年前にも同じエリアでテスラ車両がトラックに突っ込む事故が発生していたとのことで、「なぜこの車は同じような事故を繰り返すんでしょう?」「誰もケガをしなかったのは幸運に恵まれただけです」と、たびたび起こる同じような事故に疑問を投げかけています。
事実、テスラのオートパイロットに関連する事故はこれまでにいくつも発生しています。2018年1月には、高速道路上で発生した事故の処理にあたっていた消防車に、オートパイロット運転中のモデルSが後ろから突っ込むという事故がありました。この時は奇跡的に負傷者はいなかった模様。
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しかし2018年3月23日には、同社のモデルXがオートパイロット走行中に高速道路の中央分離帯に衝突し、ドライバーが死亡するという事故が起こっていました。
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これらの事故に前後して、テスラは「オートパイロットは一般の車よりも3.7倍安全である」という声明を出していました。しかし、その統計の解釈の仕方に不公平な部分があるとして、データサイエンティストが独自の見解を公表する事態にもなっています。
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なお、今回の事件に対してテスラは、「テスラは常に、オートパイロットは車両の事故を起こさないようにするものではないということを明確にしており、ドライバーがオートパイロット機能を利用する際には、『オートパイロットは、中央分離帯とはっきりとした車線がある高速道路での使用を目的としたものです』という表示内容に同意することが必要とされています」とコメントを寄せているとのことです。
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