時速1200kmの「ハイパーループ構想」の実現を目指して3本目の実験用チューブの建設がスタート
イーロン・マスク氏が提唱した超音速交通システム「Hyperloop(ハイパーループ)」の開発を進めている企業Hyperloop Transportation Technologies(HTT)が、フランス国内で実験用のチューブの建設を開始したことが明らかになりました。これは世界でも3番目のハイパーループ用チューブであり、ヨーロッパでは初となるハイパーループ関連施設の建設となります。
World’s third hyperloop test track is now under construction - The Verge
https://www.theverge.com/2018/4/15/17235262/hyperloop-transportation-technologies-test-track-france
新施設の建設を進めているHTTは、「Hyperloop One」と並んでハイパーループ構想の開発を進める企業の1つです。ハイパーループは空気圧が減圧されたチューブの中を、人や荷物を載せた車両が電磁力の力を使って時速1200kmという超音速で走行するという次世代交通システム。その実験に用いられるチューブは、以下のように巨大なものとなっています。
HTTでは、フランス国内でこのチューブを使った実験用施設の建設を進めています。建設は2段階で進められており、2018年中には全長320メートルのコースを完成させて実験を行い、2019年には全長1kmの施設が完成する予定となっているとのこと。また、この中を走ることになる車両はスペインで製造が進められており、2018年夏にも完成して運び込まれる予定となっています。
2017年以降はHyperloop Oneによる走行実験成功のニュースが連続して報じられており、HTTの動向はあまり伝わってこなかったのですが、ついにHTTも実物大の試験施設を建設して本格的な開発を進める段階にあることが伝えられるようになりました。Hyperloop Oneはすでにアメリカのラスベガス近郊に実験施設を建設しており、2017年夏には時速310kmでの走行に成功していました。
ハイパーループ開発陣営の一つ「Hyperloop One」が実物大の車両で時速310kmの走行に成功、ムービーも公開 - GIGAZINE
Hyperloop Oneと同様に、HTTはフランスの施設を使って実験を進めていくことになるとみられています。HTTが建設を進めるチューブの様子は、以下のムービーで確認することもできます。
First Full-Scale Hyperloop Tubes Arrive - YouTube
・関連記事
時速1200kmで走る「ハイパーループ構想」が一歩前進、その仕組みは磁石を特殊な「ハルバック配列」に並べて浮上することにアリ - GIGAZINE
ハイパーループ開発陣営の一つ「Hyperloop One」が実物大の車両で時速310kmの走行に成功、ムービーも公開 - GIGAZINE
Hyperloop Oneが超高速次世代交通システム「ハイパーループ」の建設候補地10カ所を発表、2021年までに一部ルートの実現を目指す - GIGAZINE
ニューヨークからワシントンDCまでを30分で結ぶ「ハイパーループ」の建設承認を取り付けたとイーロン・マスク氏が発表 - GIGAZINE
時速1200kmの次世代超高速交通システム「ハイパーループ」が初のフルサイズ車両の走行実験を実施へ - GIGAZINE
・関連コンテンツ