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弱小企業を買収して立ち直らせる敏腕ビジネスマンから得た教訓

by rawpixel.com

CNBCによる人気リアリティ番組のひとつである「The Profit」に登場する実業家のマーカス・レモニス氏は、各エピソードでビジネスに失敗した中小企業を買収し、自身の手腕で潰れかけの状態から完全に立ち直らせるという過程を披露しています。そんなレモニス氏の「The Profit」を視聴することで得られた教訓を、Marginal REVOLUTIONがまとめています。

Lessons from "The Profit" - Marginal REVOLUTION
http://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2018/04/lessons-from-the-profit.html


完全競争という概念では、商品の価格は平均コストと等しく、企業は最小コストで効率的にビジネスを展開します。しかし、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの経済学教授であるチャド・シバーソン氏が公表した論文によると、典型的なアメリカの産業では生産性分布における90パーセンタイルもの企業が、残り10パーセンタイルの企業と同じインプット(労力)で、約2倍のアウトプット(生産)を行えるそうです。もちろん企業のビジネスにおける「労力」や「生産」を測定するのは容易なことではありませんが、均一な製品を生産する企業、つまりはビジネスにおける「インプット(労力)」と「アウトプット(生産)」を測定しやすい企業でさえ、生産性には大きな違いを持つケースがほとんどだそうです。

つまり、現実世界では完全競争モデルのようなことは成り立ちません。そして、その不完全さが非効率な企業にとってのクッションとなり得る、とMarginal REVOLUTION。なぜなら、生産コストが必要以上に高くなってしまったとしても、そのコストよりも販売価格を上げることができるからで、そうすれば非効率な企業であっても労力に見合った収益を得ることは可能だからです。

by Josh Calabrese

「The Profit」に登場する典型的な企業は、数百万ドル(数億円)というまともな収入があるにもかかわらず、それ以上のコストを抱えてしまっているそうです。多くの場合、「The Profit」に登場する企業が取り扱う商品は、競争上の優位性を持っているのですが、コストにあまり注意を払わずに利益を上げてきた製品というケースが多いそうです。よって、市場にライバル製品が登場し始めると、利益率は低下します。そして企業は銀行から資金を調達し、損失分をカバーするのですが、ローンはますます膨らんでいくこととなります。

そんな非効率な企業がなぜ何年間も生き残ることができるのかといえば、企業の売上は潮の流れのように増減するものであり、時には目標以上の利益を達成することもあるためです。自分たちが危機的な状況に陥っていることに気づかないまま、何年もかかって潰れていくという非効率な企業は確かに存在するというわけ。

by Headway

「The Profit」から得られた2つ目の教訓は、管理事項は体系的かつ簡単に複製できるようにすることが重要という点です。

「The Profit」のほとんどすべてのエピソードでレモニス氏が最初に行うことの1つが、正しい商品を販売しているかどうかを計算し、「最も高い価格費用マージンを持つ商品を計算すること」です。そして、企業を最も高い価格費用マージンを持った商品の生産に集中させ、他の商品を切り捨てさせます。非常にシンプルな対策ですが、多くの企業はこれができていないとのこと。


そしてもうひとつ、エピソードのたびにレモニス氏は店内を清掃させます。工場フロアを清掃し、売れていない在庫を処分し、フロアを調節してプロセスフローを向上させます。これには必要な商品の生産に集中させ、生産をより容易かつ効率的にするというもくろみがあります。その後、在庫管理システムを作成し、注文内容を追跡し、注文を作成するために必要なインプット(労力)を追跡し、インプットを購入する際はスケールメリットを活用してコストを節約するとのこと。

インドメキシコで行われた研究でもより良い経営が利益と生産性を向上させ、長期的に利益を増やしていくことにつながるということが明らかになっています。なお、これらの研究では無作為に選定された企業への「管理介入」権が与えられ、正しい管理を行うことで生産性と利益が改善することが実証されており、まさに「The Profit」でレモニス氏が行っていることを実地試験で実践したものと言えます。

以下の写真はインドの織物製品企業の倉庫の様子。ここまであからさまだと、在庫管理システムの導入や清掃の必要性は明らか。


さらに、「The Profit」から得られたという3つ目の教訓は、企業の抱える問題は個人的な問題とつながっている場合が多いということです。父親が死に会社を譲り受けた2人の兄弟とその会社の抱える問題など、レモニス氏のような天才的なスキルを持っていれば瞬時に何が「会社の非効率性の根源となっているのか?」を判断できるのかもしれませんが、大抵の場合はそのようなスキルは持っていないはず。

そういった個人の問題と企業の抱える問題のつながりは、TVドラマを作る上では絶好のアイデアとなるかもしれませんが、一般的なビジネスにおいては不要なものでしかありません。なぜなら、多くの場合「自分の好みや感情的な偏見」と「ビジネス上の意志決定」を切り離すことはできないためです。

なお、「The Profit」の公式サイトは以下の通り。

The Profit – Home | CNBC Prime

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in メモ, Posted by logu_ii

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