プールに無数の陶器を浮かべて風鈴のように音色を奏でる「CLINAMEN」
緩やかに流れるプールの中にたくさんの陶器を浮かべ、それらがぶつかり合うことで生まれる音色を楽しむ「CLINAMEN」という装置がフランス人アーティストによって公開されました。風鈴のような心地よい音色が流れ、いつまでも耳を澄ましていたくなる作品です。
CLINAMEN 2013 by Céleste Boursier-Mougenot at National Gallery of Victoria - Melbourne, Australia - YouTube
鮮やかな青色のプールの水面に浮かぶ陶器たち。
さまざまな大きさのおわんが浮かんでいて、少しずつ流れる水面にあわせて漂います。
おわんの内側で音が反響するのか、おわん同士がぶつかると不思議な音色が奏でられていきます。サイズの違うおわんが使われていることで、複数の音程が生まれていて、こればかりはムービーを見てもらうしか確認方法がないのですが、まるで風鈴のような心地よい音色。
横から見るとこんな感じ。
いつまでも耳を澄ませたくなる無作為な音は、その場の人を落ち着かせる「空間」までもを作っていました。
CLINAMENを公開したのはフランスの現代アーティストであるCéleste Boursier-Mougenot氏。
「CLINAMEN」は古代ギリシャの哲学者・エピクロスが説く世界の成り立ちを解説したティトゥス・ルクレティウス・カルスが作った言葉。予測不能な原子の動きを説明するものだとMougenot氏はインタビューで説明しています。CLINAMENは「clīnō(斜面・傾斜/曲げる・たわむ/沈む)」から派生した言葉で、現代ではひねる・ねじる・偏らせるという意味を持ちますが、これは原子が互いに遭遇した時に小さなカーブを描くからだそうです。Mougenot氏は自分にとってCLINAMENは「カーブ」を意味している、と語りました。
なお、もともとミュージシャンだったMougenot氏は「私たちの活動全てが音楽だ」というアプローチで活動を行っており、過去には小鳥の動きによってギターが奏でられるという作品を公開しています。ピーボディ・エセックス博物館のYouTubeアカウントからムービーを見ることが可能です。
FreePort [No 007]: Céleste Boursier-Mougenot - YouTube
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