お茶は海を越えると「ティー」になり、大陸を渡ると「チャ」になる

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お茶の呼び方には大きく分けて2通りあり、1つは英語の「tea」やスペイン語の「té」などに代表される「ティー」。そしてもう1つは日本の「茶」やインドの「chay」に代表される「チャ」という呼び方です。ティーもチャも、いずれも語源は中国にあります。そして、世界におけるお茶の呼び方の広がり方を見ると、「グローバリゼーション」という言葉が広まる前のグローバリゼーションが、どのように起こっていたのかを見ることができるとのこと。
History of the word "tea": How the word "tea" spread over land and sea — Quartz
https://qz.com/1176962/map-how-the-word-tea-spread-over-land-and-sea-to-conquer-the-world/
以下の画像はティーとチャよいう呼び方がどのように広まっているのかが示されたもの。水色がティー、紫色がチャを示しており、ティーは海を越えて、チャはシルクロード経由で陸路で伝わったことがわかります。

ティーやチャはもともとシナ語派の言葉で、中国を起源とし中央アジアに広がっていき、最終的にペルシャへ「チャイ」という言葉で伝わりました。近年の研究でお茶の貿易は2000年以上前から行われていたという証拠が出てきており、シルクロード経由でお茶という言葉が伝わったということで間違いがないそうです。そして、ペルシャを越え、お茶はウルドゥー語圏でchay、アラビア語圏でshay、ロシア語圏でchay、スワヒリ語圏でchaiと呼ばれるようになります。日本や韓国では、ペルシャの「チャイ」という言葉を通っていないので、中国ベースの「チャ」で呼ばれているとのこと。
しかし、英語で発音される「ティー」は「チャ」と全く異なった発音です。では「ティー」という言葉がどこから来ているのかというと、そのヒントは福建省にありました。福建省では「茶」を「te」と発音し、その発音が貿易都市としてさかえた福建省からオランダ経由でヨーロッパへと伝わっていったのです。

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17世紀のオランダはヨーロッパとアジアをつなげる貿易商として栄えており、東アジアの主要な港は福建省と台湾にありました。いずれの街も「茶」は「ティー」と発音されます。
そして興味深いのはポルトガルのドットは青ではなく紫で、「チャ」と発音すること。ポルトガルはオランダが東アジアと貿易を始める前に貿易を行っていたのですが、マカオを主要な港としていました。マカオでは「チャ」という呼ばれ方がされていたので、ポルトガルではお茶が「チャ」という発音になっているわけです。
なお、中国からお茶が伝わったのではなく、その土地で自然とお茶が生まれた場所では、ティーともチャとも違う呼び方がされており、例えばビルマ語では「lakphak」と呼ばれます。

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in 食, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article When tea crosses the sea it becomes "tea….