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激安でめちゃ薄な4コアCore i7内蔵のXiaomiノートPC「Mi Notebook Pro」を実際に使ってみた


2010年創業の新興スマートフォンメーカーであるXiaomiから、ノートPCの新モデル「Mi Notebook Pro」が2017年9月15日に中国にて登場。従来モデルの「Mi Notebook Air」はAppleの「MacBook Air」を明確に意識した製品として話題になりましたが、今回の「Mi Notebook Pro」も15インチ超えのディスプレイ、キーボードのストロークやデザイン、マルチタックトラックパッドなど、Appleの「MacBook Pro」を露骨にライバル視したモデルとなっています。今回、「Mi Notebook Pro」の実物を入手することができたので、実際に使ってみました。

小米笔记本Pro 15.6寸 - 小米商城
https://www.mi.com/mibookpro/

「Mi Notebook Pro」の外箱は「MacBook Pro」を強く意識していると思わせるようなシンプルなデザイン。「Mi Notebook Pro」はCPUとメモリで3種類のモデルがありますが、今回入手したのはCPUがCore i7、メモリが16GB、SSDが256GBの最上位モデルです。


箱を開けると、簡単な説明書と充電ケーブル、ACアダプターが本体とともに収められていました。


充電はUSB Type-Cポートで行います。バッテリーは60Whで、動画を9時間ほど連続再生することができるとのこと。また35分で50%の急速充電が可能です。


ACアダプターは手のひらに載る程度で、特に大きすぎるというわけではありません。ただしコンセントの場所や状況によっては挿しにくいことも予想されます。


「Mi Notebook Pro」の本体サイズは360 x 243mm。長辺143.6mmのiPhone Xを並べるとその大きさがよく分かります。マグネシウム合金のフルメタルボディということで金属独特の鈍い光沢はありますが、いぶし銀といった色合いで派手さもなく、落ち着いた見た目です。トップにはメーカーロゴもなく、何の模様も入っていません。


「Mi Notebook Pro」の薄さは15.9mm。厚さ7.7mmのiPhone Xの約2倍です。


重さはおよそ1.95kg。実際に持ってみると、さすがに手で抱えて持ち運ぶにはやや大きいサイズと重量です。しかし大きさに対して厚さはかなり薄いので、ある程度容量のあるカバンであれば持ち運びも可能。据置でも使えますが、持ち運びも出来なくはないといった印象です。


本体右側面にはSDカードのポートが1つ、USB Type-Cのポートが2つ。


左側面にはHDMI端子とUSB Type-Aポートが2つ、そして3.5mmオーディオ出力端子が1つ。


モニタは約140度まで、引っかかりもなくスムーズに開きます。


ディスプレイサイズは15.6インチで1920x1080のフルHD対応。液晶もむらがなく明るく見やすいのですが、ディスプレイに光沢があるので顔や背景がかなり映り込みます。


キーのサイズは19.5mm、キーストロークは1.5mm。大きさはちょうどよく、柔らかく沈み込むような感覚。打鍵音も静かなので夜間でも問題なく使用できます。


ただしキー配置は独特で、特にEnterキーの小ささ、Backspaceキーの微妙な遠さ、右Shiftキーの微妙な小ささとずれなど、慣れるまでは少し時間がかかります。


また、キーボードには白色LEDによるバックライトが備えられていました。色や発光パターンの変更はできず、ON/OFFの切り替えのみ。


マルチタップトラックパッドは2本指や3本指でのジェスチャーに対応。触り心地は滑らかで、悪くありません。トラックパッドにはクリックボタンがついておらず、パッドの左下隅もしくは右下隅をぐっと押し込むことでクリックできるのですが、トラックパッド自体がかなり大きいので、クリックしたつもりがクリックできていないということが何度かありました。手の小さい人は外付けマウスを使うのもアリ。


また右上には指紋認証センサーが組み込まれています。パスワードやPINコードの代わりに利用することが可能ですが、読み取りの精度は少し甘く、10回ほどテストをしてみたところ、一度で認識したのは4回でした。


CPUはIntelのCore i7-8550Uを搭載。前回レビューした「Mi Netbook Air」では2コア(4スレッド)のIntel Core m3-6Y30が採用されていましたが、今回のCore i7-8550Uは4コア(8スレッド)。ストレージは256GBのNVMe対応SSD、メモリはLPDDR3の16GBです。


背面を見ると、ロゴが小さくプリントされていました。OSはWindows 10 Homeを採用。


「Mi Notebook Air」にはなかった冷却ファンは二基設置されており、背面には排気口が並んでいます。記事作成時が11月ということもあり、5~6時間ほど連続起動していてもファンの音が気になることは全くありませんでした。ストレージがSSDになっているのもあって、静音性はきわめて高いと言えます。


左右にはヘッドホンブランドのAKGなどを取り扱うハーマン・インターナショナル「Infinity」ブランドのスピーカー2.5Wが2基。「Mi Notebook Pro」はDOLBY ATMOSにも対応しており、ホームシアターとの連携が可能です。標準の状態でも音質はかなり良く、家で音楽を聴く時は外付けのスピーカーを使わなくても十分楽しめます。


◆使ってみた
「Mi Notebook Pro」にプリインストールされているOSはあくまでも中国語版のWindows 10 Homeですが、これは表記言語を日本語に変更しても反映されませんでした。そのため日本語が使えるマシンとして運用するならば、まずOSのクリーンインストールと初期ドライバのインストールを行わなければなりません。


OSのクリーンインストールと初期ドライバのインストールによる日本語化の詳細については以下の記事を見ればよくわかります。

激安なのに重量約1kg&激薄ボディのXiaomi初ノートPC「Mi Notebook Air」の使い方まとめ - GIGAZINE


OSを日本語化した上で、まずこの「Mi Notebook Pro」のパフォーマンスはどんなものなのか、Windowsエクスペリエンスインデックスで測定を行ってみます。Windows 10にはベンチマークアプリがプリインストールされていないので、手動で行う必要があります。まずはタスクバーのWindowsアイコンを右クリック、「Windows PowerShell(管理者)」を実行します。


Windows PowerShellが起動したら、「winsat formal」とコマンドを入力し、Enterを押して実行します。この時ACアダプターにつながないと実行されないので注意が必要。


測定はおよそ数分で終了します。終了したら「C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」フォルダの中に「(日付).Formal.○○.WinSAT」のファイルがあるので、WindowsエクスペリエンスインデックスViewerのサイトにドラッグ&ドロップします。


以下の画像が表示された結果。10点満点ということを考えるとこれはかなり高いスコア。PhotoshopやPowerPointでもかなりさくさくとした動作を十分期待できます。


CrystalDiskMarkでの計測結果はやはりNVMe SSDということもあって、シーケンシャルリードが1800MB/s超え。


CPUやGPUなどパソコンのハードウェアの情報を詳細に確認するため、HWiNFOを利用します。まずは公式サイトからソフトをDLします。64bit対応版をクリック、FOSSHUBを選択します。


「Download HWiNFO HWiNFO64 Installer」をクリック。記事作成時点でバージョンは5.60、サイズは4.35MBです。


保存した「hw64_560.exe」をダブルクリックしてインストールを開始。「Next」をクリック。


インストール先を尋ねられるのでそのまま「Next」をクリック


スタートメニュー登録をして「Next」をクリック。


「Install」をクリックすればインストールが始まります。


インストールが終了したら「Finish」をクリック。デフォルトであればインストーラーの終了と同時にHWiNFOが起動します。



起動して分かったCPUとGPUの詳細が以下の画像。GPUはNVIDIAのノートPC向けGPUであるGeForce MX150。グラフィックの描写性能も期待できます。


そこでオンラインゲームのベンチマークソフトを動かして、果たして実際にどれぐらいゲームを動かせるのか簡単にチェックしてみました。まずは「ドラゴンクエストX」のベンチマークソフト。グラフィック設定は最高品質、解像度は1920x1080に設定してスタート。


結果はスコア4080の普通という評価。最高品質のグラフィックで評価が普通ということは、多少画質を落とせば十分さくさくと動作するということを意味します。


今度は「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」のベンチマークソフト。グラフィック設定は高品質(ノートPC)、解像度は1920x1080で測定すると、「快適」という評価を得ることができました。


FF14の方は「レポート出力」をクリックするとより詳しい結果がテキストで出力されます。オンラインゲームを遊ぶのであれば、全く支障がないスペックと言えます。


以下のムービーは、GTA5を最高解像度の1920x1080でプレイしている様子。40~50分ほどプレイしてみた結果、背景の描画でわずかなかくつきが見られたものの、動作そのものは非常になめらかで、遊ぶ上で全く問題がないレベルです。

Xiaomi「Mi Notebook Pro」の最上位モデルで、GTA5を最高解像度で遊んでみた様子 - YouTube


同時に発熱具合をスマートフォン用サーモカメラ「FLIR ONE」を用いて計測してみました。以下の画像の左がプレイ開始直後、右がプレイ開始後40分での温度です。裏に排気口があるキーボード周辺を中心に温度が上昇しているのが分かります。さすがにファンはすごい勢いで回っていましたが、触れないほど熱くなるといったことはありませんでした。


◆動画エンコード
今度は動画の圧縮を行ってみます。iPhone Xで撮影した4K・60fps、再生時間30秒の動画を用意。サイズは約406MBです。


ソフトはTMPGEnc Video Mastering Works 6を使用します。コーデックはH.265/MPEG-H HEVC。Kaby Lake世代のCPUにはIntel Quick Sync Videoのバージョン6が搭載されているので、エンコーダーで「Intel Media SDK Hardware」を選択すれば、GPU支援ありの爆速エンコードが可能です。


GPUのNVIDIA GeForce MX150はNVENCによるエンコードには対応していませんが、NVIDIA CUDAによるフィルタリングは可能です。


結果、元時間の約3倍である1分41秒で出力が終了しました。サイズは約225MB。ノートPCで、4K・60fpsの動画をH.265/HEVCコーデックを用いた上でこのスピードでエンコードできるならば、十分実用に耐えうるレベルと言えます。


◆まとめ
「MacBook Pro」を強く意識したデザインの「Mi Notebook Pro」ですが、ただデザインを寄せるだけではなく、中身も相当に磨かれている印象を受けました。この薄さと性能で15万円前後という価格はコストパフォーマンスがかなり高いと言えます。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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