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Apple Watch Series 3をiFixitがバラバラ分解、中身は一体何が変わったのか?


2017年9月22日に登場したばかりのiPhone 8 Plusのほか、初代Apple WatchApple Watch Series 2などのデジタル端末をバラバラに分解して端末内部がどのような構造になっているのかを明かしてきたiFixitが、最新Apple Watchの「Apple Watch Series 3」もバラバラに分解してレポートを公開しています。

Apple Watch Series 3 Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Apple+Watch+Series+3+Teardown/97521

これがApple Watch Series 3の本体部分。


本体を分解する前にX線撮影するとこんな感じ。全体的な構造は初代Apple Watchから大きな変化はありませんが、スピーカー(写真右下)付近に余分なスペースがあるように見えるとのこと。


実際に分解するのがApple Watch Series 3であることをしっかり示すには、背面の「Series 3」の文字や……


バンドを外した溝部分にあるモデル番号「A1889」をチェックすればOK。


なお、iPhone 8/8 Plusでは背面から「iPhone」の文字以外が全て消えてなくなっていましたが、Apple Watch Series 3の場合はバンドを挟む溝部分に「Desidned by Apple in California」の文字があります。


というわけで、ここから分解作業がスタート。まずは温めたiOpenerをディスプレイの上に置いて接着剤を溶かし……


カッターやナイフなどの薄くて硬い板状のものを差し入れてディスプレイを外します。


パカリと開くとディスプレイと本体をリボンケーブルがつないでいるのが分かります。


リボンケーブルを外すとこう。ディスプレイを外す工程はApple Watch Series 2からまったく変化なしです。


これが取り外したディスプレイ。赤枠部分にタッチコントローラーの「Analog Devices 343S00092」、オレンジ枠部分にNFCモジュールの「PN80V」、黄枠部分は使われていないスペースになっているそうです。Apple Watch Series 3のディスプレイ上にあるICの数はApple Watch Series 2よりも少なくなっているそうで、iFixitは「恐らく重要ではなかったのだろう」としています。


続いて64 Bit Driver Kitを用いて本体内部のパーツを分解していきます。まずは本体の3分の1ほどを占めている「Taptic Engine」から。


Taptic Engineに貼られたシールをはがすとバッテリーとつながっているようなので……


先にバッテリーを取り外します。


これがApple Watch Series 3のバッテリー。Apple Watch Series 3のバッテリー容量は279mAhで、Apple Watch Series 2のものより約4%増量しています。


バッテリーの裏面はこんな感じ。


続いて筐体の縁に沿うように取り付けられているパーツを外します。この赤枠部分にあるのがForce Touchセンサーで、ここには静電容量センサー・コントローラの「Analog Devices AD7149-1ACBZ」が埋め込まれています。


続いてシールをはがしたTaptic Engineを取り出し……


GPSアンテナを含むアンテナアレイを外します。


さらに、側面のスピーカーもピンセットでつまみ上げて……


本体基板を取り外します。


基板の赤枠部分にはST Microelectronicsの「(PDF)ST33G1M2」とARMの32bit MCU「SC300 Processor」があり、iFixitはここにApple Watch Series 3のeSIMがあると見ています。他部分は、オレンジ枠部分にはWi-Fiモジュールと思われる「Avago AFEM-8057」、黄枠部分にはSkyWorksの「78109-12」、緑枠部分には「FY LEE C7P」、水色枠部分には「FF1A02」、青枠部分には「339M00035」があります。


基板の裏側。


最後に本体筐体部分に固定されている心拍センサーを取り外します。


これはワイヤレス充電コイルで、ほとんどのQi端末に対応するように従来モデルから少し変更が加えられているとのこと。


Apple Watch Series 3では気圧高度計がマイクの隣に移動しているため、診断ポートの隣に通気口が移動しています。


と言うわけで全ての分解したパーツを並べるとこんな感じ。iFixitは「ウォッチバンドの交換は簡単なまま」「スクリーンの交換は難しいものの、可能」「バッテリーの交換もややこしいものの不可能ではない」としながらも、信じられないほど小さなネジが修理の妨げになる点や、ボードレベルの修理がほぼ不可能である点を指摘しています。


なお、分解・修理の難易度は10段階中の6(点数が低いほど難易度が高い)と評価されており、同じタイミングで発表されたiPhone 8 Plusと同じ難易度です。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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