メモ

ハリウッドを侵食する最大のモンスターの名は「Netflix」

By Joanna Poe

21st Century FoxのTV番組プロダクションである「Fox 21 TV Studios」で副社長を務めていたタラ・フリン氏は、2016年9月にNetflixへの移籍を決定しました。その結果、21st Century FoxはNetflixに対して「雇用契約に違反して違法に幹部2人を引き抜いた」として訴訟を起こしています。Fox 21 TV StudiosのトップであるBert Salke氏は「Netflixは不倶戴天の敵だ」とコメント。これに対してNetflixは「Foxの契約は違法で法的強制力はない」と主張しています。この件を筆頭に、既存の映像業界の総本山であるハリウッドと、頭角を見せ始めたNetflixとの間で対立が起こっています。

Enemy number one is Netflix: The monster that's eating Hollywood | Business Standard News
http://www.business-standard.com/article/international/enemy-number-one-is-netflix-the-monster-that-s-eating-hollywood-117032600023_1.html


21st Century FoxとNetflixに限らず、既存のテレビ業界とビデオストリーミング業界は、互いに溝を深めつつあります。Netflixはオリジナルコンテンツの制作に注力しており、2017年だけで70話以上の大型エンターテインメント番組を制作済み。ストリーミング業界のオリジナルコンテンツは、既存のテレビ業界と設備・人材ともに競合するため、Netflixとハリウッドの間で緊張が高まっていると言われています。

Netflixがオリジナルコンテンツの制作などに支払った支出は、すでに2017年だけで60億ドル(約6636億4000万円)を超えています。この額はタイム・ワーナーの約2倍、HBO・FXショウタイムの約5倍に匹敵します。シリーズ単価で見ると、Netflixは「ザ・クラウン」のシーズン1だけで1000万ドル(約11億円)を費やしています。

The Crown | Official Trailer [HD] | Netflix - YouTube


すでにTVスター俳優の給料は、1シーズン(1エピソード)だけで25万ドル(約2765万円)近くまで高騰しており、これは映画スター並みの金額とのこと。元々は既存のテレビ業界がビデオストリーミング業界にライセンス契約で番組を放送させることで、制作済みの番組の財務的な寿命が延びるという関係ができていたのですが、Netflixのオリジナルコンテンツが、テレビ業界の直接の競合となっているわけです。

また、21st Century Foxのみならず、NBCUniversal Television、ソニー、ウォルト・ディズニーなどの幹部クラスの人材がNetflixに移動しているとのこと。Netflixの影響で俳優からカメラクルーに至るまでのコストが高騰している中、既存のテレビ業界は新米作家、Instagramスター、YouTubeスターなどを起用して、新しい番組を制作する動きも見せています。快進撃を続けるNetflixですが、テレビ業界の幹部や、ウォール・ストリート街の一部からは、急速な支出ペースにNetflixが耐えられるのか、懐疑的な声もあるようです。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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