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自動運転車について知っておくべきアレコレ

By Becky Stern

Googleの自動運転車プロジェクトから誕生した新会社「Waymo」が、クライスラーと共同開発した自動運転システムを発表しました。次々と進化を遂げていく自動運転技術ですが、これについて知っておくべきアレコレをベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツがまとめています。

Let’s Talk About Self-Driving Cars – The Startup – Medium
https://medium.com/swlh/lets-talk-about-self-driving-cars-387cd5adb834

◆自動運転における6段階のレベル
アメリカの自動車技術者協会が設定している自動運転のカテゴリにはレベル0からレベル5までの6段階が存在します。大まかに分けると、レベル0からレベル3まではドライバーがハンドルを握って運転の様子を監視・操作する必要があるもので、レベル4からレベル5まではその必要がないものとされています。


レベル0:ドライバーのみ
単純にドライバーが自動車の主制御系統をすべて操作するシステム。

レベル1:アシスト機能付き
現代のドライブシステムで最も多く普及しているもので、自動ブレーキやクルーズコントロールなどのアシスト機能付きのシステム。

レベル2:部分的な自動操作
常にドライバーが運転状況を監視・操作する必要はあるものの、「特定の操作」や「特定条件下での操作」をシステムが自動で行えるもの。自動車の高速道路での自動運転などもこのレベルに該当するとのこと。

レベル3:条件付きの自動操作
ドライバーは常に自動車の運転状況を監視する必要はないというもの。ただし、すぐに運転可能な指定の位置に常に座っている必要があります。レベル3は「ハンドルに手をかけておく必要はないものの、非常時にはすぐに操作する必要がある」ものとのこと。

レベル4:高度な自動操作
ドライバーの操作なしで一部の走行や特定の操作を自動で行えるシステム。

レベル5:完全自動操作
自動運転における究極の理想型であり、システムがあらゆるシチュエーションを自動操作でクリアできるシステムを指します。レベル5の場合、ドライバーは操作する必要がないのでもはや居なくてもOKとのこと。

◆自動運転技術で用いられる技術
既存の自動車で自動運転車のレベル5を実現するにはどのようなハードウェアが必要になるのでしょうか。Googleの自動運転車はLIDARと呼ばれる光を用いたリモートセンシング技術を採用しており、パルスレーザーを用いて周囲環境に存在する物体との距離を測定します。


2017年1月に発表されたWaymoのLIDARシステムは、ハードウェアのコストがわずか7500ドル(約87万円)とのことで、これは従来のシステムのコストと比べると90%減になっているとのこと。

◆新しいタイプの地図
GoogleマップやWaze、Appleのマップアプリなど、素晴らしい精度の地図サービスが複数存在しますが、自動運転車が完全に自動で公道を走行するには、これらの地図サービスが提供するデータでは情報不足といわざるを得ません。既存の地図サービスではどういった情報が足りないのかというと、「どこにカーブがあるのか」「どこにトラフィックバレルがあるのか」「1日のどのタイミングで光がまぶしくてカメラが完全に見えなくなるのか」など、実際に公道を走る際に必要となる情報です。よって、既存の地図サービスと自動運転車用の地図は完全に別個で考えるべきとのこと。


◆自動運転車が普及すれば信号はなくなるのか
完全な自動運転車が自動車同士で情報のやり取りを行えるようになったなら、信号をなくさない理由はないとのこと。信号のない公道は無秩序に見えるかもしれませんが、インターネットのパケットと同じように事故なく自動車が走行できるそうです。


これには現在求められているような技術以上のものが求められることになるかもしれませんが、「実現すれば交通の効率をより良くできる」とのこと。

◆交通事故はどれくらい減少するのか
もしも全ての自動車が自動運転車に切り替わったとすると、交通事故の発生率はほとんどゼロになると考えられています。これは、交通事故の原因の25個中24個がヒューマンエラーによるものだからだそうです。事故の原因はスピードの出し過ぎやよそ見運転、飲酒運転、信号無視などさまざまですが、完璧な自動運転車が完成すればこれらの事故とは無縁になるというわけ。


ただし、自動運転車の登場により現代の自動車では考えられないような事故が起きる可能性もあるとのこと。

◆人間が自動車を運転することは法律で禁止されるのか
自動運転車が人間のドライバーよりも事故を起こさないというデータが集まれば、人間のドライバーが公道を走行すべきではなくなるのかもしれません。しかし、ドライブを趣味にする人も多く存在します。ただし、安全面だけを考えればそういった人間のドライバーがまったく必要なくなる未来がくるのかもしれません。

◆いつ、そしてどのくらいの速度で自動運転車が普及するのか
複数の予測が存在しますが、2020年から2040年にかけて自動運転車が普及するという見方が強くなっています。

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in 乗り物, Posted by logu_ii

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