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ハードウェア

AMDが新CPU「AMD Ryzen」を発表、Intel製プロセッサーのライバルになれるか?


2016年8月に概要が発表されたAMDの次世代次世代マイクロアーキテクチャ「Zen」。このZenアーキテクチャを採用した次世代CPUはコードネーム「Summit Ridge」としてその存在が知られていたのですが、現地時間で2016年12月13日、正式に「AMD Ryzen」として発表されました。

New Horizon - AMD Ryzen プロセッサーの紹介
http://www.amd.com/ja-jp/innovations/new-horizon

AMD’s Zen CPU is now called Ryzen, and it might actually challenge Intel | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2016/12/amd-zen-performance-details-release-date/

AMD Gives More Zen Details: Ryzen, 3.4 GHz+, NVMe, Neural Net Prediction, & 25 MHz Boost Steps
http://www.anandtech.com/show/10907/amd-gives-more-zen-details-ryzen-34-ghz-nvme-neural-net-prediction-25-mhz-boost-steps

AMD shows how Zen—now renamed Ryzen—is its best chip family in a decade | PCWorld
http://www.pcworld.com/article/3149051/components/amd-offers-more-proof-that-zen-now-renamed-ryzen-is-its-best-chip-in-a-decade.html

Zenアーキテクチャ採用で、x86コアの性能と効率性を体現する「AMD Ryzen」というプロセッサー製品およびブランドをAMDが発表しました。「AMD Ryzen」が発表されたのは、AMDが現地時間で2016年12月13日午後3時から開催した「New Horizon」と題するイベントの中でのこと。イベントの様子は以下のムービーで視聴可能で、ムービーの25分あたりから「AMD Ryzen」の発表がスタートします。

AMD Presents New Horizon - YouTube


AMDは「AMD Ryzen」のリリース時期を「2017年第1四半期を予定」としており、リリース時期と同時にいくつかの詳細なスペックを発表しています。「AMD Ryzen」ブランドの最初のCPUは8コア・16スレッドのハイエンドデスクトップ向けのものとなります。なお、L2キャッシュは4MBでL3キャッシュは16MBです。このチップはAMDのマイクロアーキテクチャ「Bulldozer」のクラスタベースマルチスレッディングとは異なり、同時マルチスレッディングを採用することでクロック周波数3.4GHzの最高性能を引き出すことが可能です。クロック周波数だけがCPUの性能を示す指標ではありませんが、Intel最新のクアッドコアCPUであるCore i7-6700K(4.2GHz)には届かないものの、IntelのBroadwell-Eプロセッサー(3.2GHz)とはかなり拮抗した数値になっています。


IPCは前世代のアーキテクチャから40%も向上。


また、Ryzenは100W以下の熱設計電力(TDP)でベースクロック3.4GHzを実現しているのもポイント。競合製品であるIntelのBroadwell-Eプロセッサーの場合、TDPは140W以下となっており、Ryzenは非常に優れた数値であることがわかります。

さらに、これだけ高いCPUの処理能力は「SenseMI」と呼ばれる人工知能を採用することで実現しているとのこと。「SenseMI」では「Pure Power」「Precision Boost」「Extended Frequency Range」「Neural Net Prediction」「Smart Prefetch」という5つの機能が紹介されています。


・Pure Power
温度・クロック周波数・電圧センサーをモニターし、より効率的にCPUに電力を供給するシステム。


・Precision Boost
周波数コントロールを細かく行う機能。Pure Powerとセットになることで、パフォーマンスの最適化が行えるようになります。


・Extended Frequency Range
プロセッサーの動作環境を自動で判別してより高い動作クロックまでブーストすることが可能。空気・水・液体窒素を用いた冷却システムでも効率的に動作可能で、かつ、すべてを人工知能が自動で判断します。


・Neural Net Prediction
Zenアーキテクチャにはすべて人工知能が搭載されており、何をどの順番で処理するのがベストのパフォーマンスにつながるのかを常に反映してくれます。


・Smart Prefetch
人工知能を用いたスマートプリフェッチ機能。


加えて、Ryzenは新チップセットの「AM4」と一緒にリリースされる予定です。DDR4メモリ搭載でPCI Express 3.0やUSB 3.1を採用、ストレージの接続規格はNVMeです。AMDは「AM4は複数世代のプロセッサーを同時に走らせられるように設計している」と語っています。


Ryzenの価格については詳細が明かされていませんが、海外ニュースサイトのArs Technicaは「IntelのCore i7-6700Kと近い値段になる」と予測しています。また、「もしもAMDが8コアCPUのRyzenを主流にできたなら、IntelCPUのシングルスレッドパフォーマンスとの差を埋めることができ、今のCPU市場に必要な下からの突き上げになるかも知れない」と、Ars TechnicaはRyzenへの期待感を述べています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii