見えるはずの点がどうしても見えない不思議な視覚のトリック画像が世界中で話題
画像の中は間違いなく黒いドットが12個書かれているはずなのに、どんなに頑張っても1度に見ることができるのは3つから4つぐらいという錯覚の画像がネットで話題を集めています。
Here's why you can't see all twelve black dots in this optical illusion - The Verge
http://www.theverge.com/2016/9/12/12885574/optical-illusion-12-black-dots
その話題の画像がこちら。タテ・ヨコ・ナナメに灰色の線が引かれており、線が重なる交点の12か所に黒い点が書き込まれています。例えば、右上だけを見ると黒い点をハッキリ見ることができるはずですが、ひとたび視点を画像の中心に移動させると、中心にある2つの点だけがハッキリと見え、さっきまで見えていたはずの右上の点は消え去ってしまうはず。
さらに、点を追って視点を動かすと、黒い点があちこちに飛び回るように見えるという、実に不思議な画像となっています。
これは立命館大学の北岡 明佳教授がFacebookにアップロードしたところ、広くシェアされて話題になったものです。
Ninio's extinction illusion. Twelve black dots cannot be seen at once.Ninio, J. and Stevens, K. A. (2000) Variations on the Hermann grid: an extinction illusion. Perception, 29, 1209-1217.
北岡 明佳さんの投稿 2016年9月10日
北岡教授の投稿をきっかけに、この画像は海外でもSNSでシェアされることに。ゲームデベロッパーのWill Kerslake氏のツイートは3万回近くもリツイートされるに至っています。
There are twelve black dots at the intersections in this image. Your brain won’t let you see them all at once. pic.twitter.com/ig6P980LOT
— Will Kerslake (@wkerslake) 2016年9月11日
この錯覚が起こるトリックは、人間の錯視を利用したもの。格子状の模様の交差点に本来はないはずの色が現れるハーマングリッド現象の派生形で、フランス人学者のジャック・ニニオ教授が論文で発表したものです。同じパターンの模様が連続するときに、人間の脳がそのパターンを埋め合わせて補完する能力を利用したものだそうです。
ちなみに、黒い点が置かれているのはこの場所。こうやってみると全ての点を見ることができるのに、何もない状態だと錯視が起こってしまうのだから、人間の視覚というのは不思議なものです。
なお、北岡教授は錯視研究の第一人者で、数多くの著書を出版しています。錯視画像を集めたウェブサイトも公開しており、ウネウネとうごめく不思議な画像の数々を見ることができます。
北岡明佳の錯視のページ
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/
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