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なぜハリウッド映画は悲惨な続編モノを作り続けるのか?

By rpb1001

映画「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」や「ファインディング・ドリー」、「スター・トレック Beyond」など、2016年には37本の「続編モノ」が公開される予定です。作品の1本目がヒットすると続編を制作する傾向がハリウッド映画にはあるのですが、続編がオリジナル作品と同じか、それ以上に面白かったということは、なかなかないものです。では一体ハリウッドはなぜ続編モノを作り続けるのか、その理由をわかりやすく説明したムービーが「Why Hollywood keeps making terrible sequels」です。

Why Hollywood keeps making terrible sequels - YouTube


1999年にインディペンデント作品の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」という映画が公開されました。


6万ドル(当時のレートで約660万円)という超低予算映画で制作されたブレア・ウィッチ・プロジェクトは、北アメリカだけでの公開が予定されていましたが、アメリカで大ヒットとなり日本でもその後に公開され、全世界での興行収入は約2億4800万ドル(約275億円)を記録。


そして、公開から1年後には続編の「ブレアウィッチ2」が公開されました。


しかし、ブレアウィッチ2はブレア・ウィッチ・プロジェクトと同じような高い評価を得られず、一般的には失敗作とされています。


ブレア・ウィッチ・プロジェクトのように1作目が素晴らしかったのに2作目が駄作だったという作品には他にどのようなものがあるのか、ムービー「Why Hollywood keeps making terrible sequels」を作ったVoxは映画や音楽の評価サイト「Metacritics」で調査を実施しました。


Metacriticsはさまざまなウェブサイトから映画のレビューを取得して、その評価を数値化して0から100までのメタスコアを付けるウェブサイト。


VoxはMetacriticsにある1996年から2016年までに公開された映画の中から続編が制作された作品のみをピックアップ。その数は532本にも及びました。


先述のブレア・ウィッチ・プロジェクトは1作目の評価が「81」


しかし、続編のブレアウィッチ2は「15」というものすごく低いスコアをたたき出しています。


2000年に公開された「グリーン・ディステニー」は、英語以外の言語による作品ながら第73回アカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネートされた映画です。


アカデミー賞にノミネートされた作品だけあって、グリーン・ディステニーのスコアは「93」という超高評価。


しかし、動画配信サービスのNetflixが2016年2月から配信した続編「Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー」はスコアが「47」で、ものすごく低いというわけではありませんが、1作目には全く及びません。


では、1作目が失敗したのに2作目が成功したという作品はどれくらいあるのでしょうか。


1作目が失敗し2作目が成功した映画は532本中25本以下で、かなり少数。


その中でも「バットマン ビギンズ」で「70」、続編の「ダークナイト」で「94」をつけたダークナイトシリーズや、「キル・ビル Vol.1」で「69」、「キル・ビル Vol.2」で「83」のキル・ビルシリーズは、1作目から評価が高かった作品なので、1作目が失敗し2作目が成功した映画に当てはまりません。


1作目が失敗し2作目が成功した映画に当てはまるのは2004年公開の「ガーフィールド」です。1作目は「27」で全く駄目でしたが、2作目の「ガーフィールド 2」で「37」を記録。名作とまではいきませんが、続編の方がオリジナルより評価された数少ない作品です。


Voxは調査途中で、「ホラー映画」「コメディ映画」「アクション映画」のスコアが他のジャンルに比べて低い傾向があることを発見。


ホラー映画・コメディ映画・アクション映画が他のジャンルより低く評価される傾向が本当にあるのかどうか、ジャンル別の平均スコアを調べてみると、確かにワースト3は「ホラー」「コメディ」「アクション」でした。


評価が低くなるホラー、コメディ、アクションというジャンルで、1作目より高い評価を得ることが難しい続編を公開するという、一見無謀にも思える映画を量産しているのがハリウッド映画です。2016年に続編が公開される、もしくはされたハリウッド映画は全部で37本もあります。なぜハリウッドは評価がされにくいジャンルで、さらに評価を落としがちな続編モノを作り続けるのでしょうか。


その理由は「お金」


ある調査では2作目が1作目の約8倍にもなる興行収入をあげていることがわかっています。


2010年に公開されたコメディ映画「アダルトボーイズ青春白書」はメタスコアで「30」という低評価ながらも、興行収入は約2億7000万ドル(約243億円)。


2013年には続編の「アダルトボーイズ遊遊白書」が公開。スコアは1作目を下回る「19」という低評価でしたが、低評価にも関わらず2億4700万ドル(約247億円)の興行収入を達成しました。


つまり、「続編モノは内容がどうであれ、ある程度の興行収入を見込める」というわけです。ただし、「あの作品の続編なら」と期待が膨らみすぎた結果、「思ったほどではなかった」という落胆から辛い点数がつけられたレビューも多々あるはずなので、その作品を「続編」だと思わずに単体で見れば面白くないわけではない、ということはあるかも。

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in 映画, Posted by darkhorse_log

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