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第二次世界大戦中にヒトラーが使用していた暗号機がeBayに出品される


第二次世界大戦中にドイツが使用していた暗号機といえば「エニグマ」が有名ですが、これよりも複雑な暗号化方式を採用した「ローレンツ暗号機」もヒトラーやその配下の将軍たちにより使用されていました。そんな12個の歯車を用いてテキストを暗号化する貴重な暗号機が、なんとインターネットオークションサイトのeBayに出品されているところを発見されています。

Secret German WW2 code machine found on eBay - BBC News
http://www.bbc.com/news/uk-36401663

第二次世界大戦中にヒトラーが配下の将軍たちと極秘メッセージをやり取りするために使用していたという暗号機械が、イングランド東部のエセックス州で発見されました。発見したのはイギリスの国立コンピューティング博物館のボランティアで、インターネットオークションサイトのeBay上で9.5ポンド(約1500円)で販売されているところを発見されました。

「私の同僚はeBayを見ていたのですが、そこでタイプライターのようなものの写真を見つけたんです」と語るのは、国立コンピューティング博物館でボランティアとして働くジョン・ウェッターさん。タイプライターのようなものを発見したウェッターさんの同僚は、すぐさまエセックス州のサウスエンド=オン=シーまで向かいます。そして、eBay上で見つけたタイプライターの実物が保管されている場所に向かったそうです。

以下の写真に映っているのは、ジョン・ウェッターさん(右)と第二次世界大戦中にドイツの暗号通信解読で活躍した「Colossus」の開発に携わった暗号解読士ビル・タットの甥であるビル・タットさん(左)。


国立コンピューティング博物館にはノルウェーの軍隊博物館から借りたローレンツ暗号機の実物が展示されています。その「本物のローレンツ暗号機」に記されている公式な戦時番号と、eBayに出品されていたタイプライターの番号を比べてみたところ、これが一致しており本物のローレンツ暗号機であることが判明しました。

国立コンピューティング博物館のアンディ・クラーク会長は、「ローレンツ暗号機は戦時中の戦略通信に使用されていたもので、エニグマよりもはるかに複雑な構造をしており、サイズもはるかに大きいです。また、戦後もローレンツ暗号機と同じような暗号化方式を採用した暗号機が使用されていました」とコメントしています。

以下の写真に写っているのはベティー・オコンネルさん(左)とアイリーン・ディクソンさん(右)。2人は第二次世界大戦中にローレンツ暗号機の暗号文を解読するために働いていた、という人物。


国立コンピューティング博物館は、ローレンツ暗号機でドイツ語をタイプし、暗号化された文章を第二次世界大戦中にイギリスが使用した暗号解析装置で解析することを望んでいます。ただし、発見されたローレンツ暗号機は重要なパーツの一部が紛失しており、現在ボランティアの間でこれを必死に探している最中。パーツが見つからない場合は、見つかるまでの間、代用のパーツでしのぐことも検討中とのことです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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