ギネス世界記録となるVR空間の25時間ぶっ続け体験、果たしてプレイヤーに何が起こったのか？

VRヘッドセットを装着すると、まるで現実と錯覚するほどリアルな仮想現実空間が視界を覆い尽くします。GIGAZINE編集部員もGear VRやOculus Riftを30分～1時間程度プレイしただけで、気分が悪くなったり、プレイ後も足元がふらついたりするという状態を経験しています。そんなVRヘッドセットを25時間連続でプレイするというギネス世界記録への挑戦が行われ、開始から終了までのプレイヤーの様子がムービーに収められています。

Making Virtual Reality World Record History - YouTube


今回ギネス世界記録に挑戦するのは、アメリカ人の映画脚本家であるデレク・ウェスターマンさん。「すでにたくさんの人々がVRの世界を長時間体験していますが、ギネス世界記録に達するほどではありません。だから私は新たな記録を樹立したいのです」と意気込みを話しています。

25時間のプレイに使われるのはHTC Vive。

「25時間もVRをプレイするにあたって、専門家のあなたに聞きたいんだけど、何時間くらいVRをプレイしたことある？」と質問するウェスターマンさん。

「最高で1時間半くらいかな」と返答する今回の企画を考案したダミアン・ブライズさん。

「25時間もプレイするとどうなる？」と尋ねられたブライズさんは「発作・嘔吐(おうと)・疲労、あとは目へのダメージかな」と答えました。

ウェスターマンさんは「それが全部ぼくに起こるのか……」と、自らの先行きを心配しています。

VRをプレイするのはイスやソファなどが置かれたマンションの一室。イスから立ったり、歩き回ったりしてもOKです。ウェスターマンさんが「100％準備OKだ。始めよう」と告げると……

ギネス世界記録樹立に向けて25時間のカウントがスタート。

プレイしているゲームはコントローラーで仮想現実世界にお絵かきができるアプリです。

1時間が経過し、イスから立ち上がるウェスターマンさん。時間の経過がとても遅く感じるとのこと。

あちこちに色を塗って時間をつぶしていますが、すでに退屈を感じ始めています。

あたりはすっかり暗くなりましたが、まだ2時間しかたっていません。

暇をつぶすため、小さな芸術作品を描くのが有効的と気付いたそうです。

3時間が経過し、残り22時間となりました。

寝転びながらコントローラーを操作し、「雪を作っているんだ。シューシュー」と話しています。

6時間が経過したところで、ウェスターマンさんの様子に変化が見られました。「どうした？」と尋ねると、「おしっこがしたい」とのこと。

有線のHTC Viveを装着しながらではトイレにいけないため、部屋の中でバケツに用を足すというストイックな光景。

9時間が経過し、時間はすっかり深夜になっています。

コントローラーを離してはいけないというルールもあるようで、食事はスタッフに食べさせてもらっています。

どんどん時間が経過していき、残り8時間のところで外はすっかり朝。すると、ウェスターマンさんが「ううう……」とうなり始めました。

「気分が悪い……。誰か、バケツを！」

嘔吐するほど体調に影響が現われ始めたようです。

残り4時間、もう21時間もぶっ続けでVRの世界にいることになります。何やらブツブツ声が聞こえるのですが……

床でうずくまるウェスターマンさんが「自分がどこにいるかわからない。自分がどこにいるかわからない」と繰り返している声でした。

落ち着つきを取り戻したウェスターマンさんは「正直ちょっと怖いよ」とつぶやきます。

そこで肩をマッサージしてもらい、ようやく自分を取り戻した模様。

ついに終了時刻が近づき、スタッフ一同で「5、4、3、2、1……」とカウントダウンが行われ……

拍手喝采の中、ウェスターマンさんは「世界で初めてVRを25時間プレイした男」になることができました。

ヘッドセットを外したウェスターマンさんは疲れ切った表情ですが、「とてもうれしいけど、この挑戦は異常だった」と話しています。

ウェスターマンさんは「やりきったぜ！」とコメントを残し、その場を後にしました。

その後、ウェスタ―マンさんは「丸1日以上VRを体験した翌日、ぼくの脳はまだ混乱していたような感覚だった。自分の部屋が仮想現実みたいに感じるんだ。今も変な感じは続いているよ」と語っています