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「シュレーディンガーの猫」をわかりやすくザックリ解説するムービー

By Adriano Makoto Suzuki

量子力学における有名なパラドックスである「シュレーディンガーの猫」を、イラストを交えてわかりやすく解説するムービー「Schrödinger's Cat」がYouTube上で公開されています。

Schrödinger's Cat - YouTube


「シュレーディンガーの猫」は有名な思考実験のひとつ。一度はその名前を聞いたことがあるひとも多いはず。


まず、火薬庫の中に1分以内に50%の確率で爆発する爆弾と猫を入れます。


なお、この思考実験で爆弾を使うのはアインシュタインのバージョンで、発案者のシュレーディンガーは爆弾の代わりに有毒ガスを使用することを好みました。


火薬庫の中は見えないので……


1分後に猫が死んでしまっているのか生きているのかは、実際に中を見てみるまでわかりません。


しかし、もしもこの実験を繰り返し行ったとすると、猫が死ぬ確率は爆弾が爆発する確率と同じ50%になるでしょう。


猫が死んでしまったか生きているのかは既に決まっていても、どちらの状態になっているのかは実際に観測するまでわからず、これは猫の生と死が「重なり合った状態」であると言えます。そして、この重なり合った状態というのは、量子力学における粒子の状態を表すのに非常にぴったりとのこと。これは、量子力学において粒子は様々な状態が「重なりあった状態」で存在しうると考えられており、「重なりあった状態」は観測機器によって粒子を観測することによりいずれかの状態に収束すると考えられているからです。


猫が生きているのか死んでいるのかは、観測した時点で決定するので、「どうなっているのか知りたい」という好奇心が猫を殺してしまうわけです。


それでは猫側の視点で考えるとどうなるでしょうか?猫は火薬庫の中で爆弾が爆発するかしないかを実際に目で見ることになるわけですが、我々側からすると「爆弾が爆発し、猫が爆発を見る」もしくは「爆弾は爆発せず、猫は爆発を見ない」という2つの選択肢しか存在しません。


「爆弾が爆発したものの、猫は爆発を見なかった」という可能性はあり得ません。


したがって、猫側の現実と思考実験の「爆発が起きると猫が死に、起きなければ猫は死なない」という内容はかみあうように思われます。


この思考実験は、ひとつの選択肢が自然に「破綻すること」を観察しているようなものです。


また、観察する側が火薬庫の中の猫と同じように、「生きた猫、もしくは死んだ猫を観察している人」を観察している何者かの存在により、2つの選択肢が「重なりあった状態」になっているようにも捉えられます。


はたまた、両方の可能性が多元的宇宙の中で平行して起こっている、というエヴェレットの多世界解釈も存在します。


なお、このひとつの選択肢が自然に「破綻すること」は、量子力学の中でもまだ未解決の問題です。

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in 動画, Posted by logu_ii

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