パナマ文書の鍵を握る「オフショア企業」とは一体何なのか?

パナマ文書で頻繁に登場する「オフショア企業」とは一体何なのかを、分かりやすく解説したムービーが「Offshore corporations - The secret shell game」です。
Offshore corporations - The secret shell game | McClatchy DC
オフショア企業には、「匿名性を構築する」という目的があります。

自国の法律が及ばない海外に作られた企業が「オフショア企業」と呼ばれますが、オフショア企業は本体企業や組織の存在を隠すことで、違法な行為を秘密裏に行う隠れ蓑としても使われます。

例えば、非合法に得た悪銭を隠したり、合法的に悪銭を使ったりする手段として、オフショア企業が使われます。

オフショア企業はロシアのマトリョーシカに例えることができます。

企業の実体を隠すために……

別の企業を設立。

さらにその企業を隠すための新たな企業を作り……というように、企業の実体を何重にも隠します。

一見すると、実際にどのようなビジネスを行っている企業なのかが分からないように、企業や組織の本質が巧妙に隠されています。

「オフショア企業が隠しているお金は、一体誰のものなのか?」という疑問が常に生じますが、答えを知ることは非常に困難です。

オフショア企業の所在地は、企業が実際にビジネスを行っている場所ではなく、セーシェル諸島や、サモア、アラブ首長国連邦、アメリカ・ワイオミング州などのタックス・ヘイヴンと呼ばれる地域にあります。

詳しく調べれば、お金を隠しているオフショア企業の事業主名を知ることはできますが、実際に誰が持っているお金なのかハッキリとしたことはなかなか分かりません。

オフショア企業の例として、例えば、パナマにある法律事務所が……

「HIDE-MONEY LIMITED」という名前の会社を作ります。

HIDE-MONEY LIMITED社には、社長、秘書、会計管理者などの社員がいます。

これらの社員は「NOMINEE DIRECTORS(名義重役)」と呼ばれます。

名義重役は、大金の持ち主に雇われており、雇用主の言うとおりに行動します。

例えば、銀行口座の管理や、不動産の購入などを代理で行います。

HIDE-MONEY LIMITED社は、地球の裏側に所在地を置く「DOUBLE TROUBLE LIMITED」という別の会社を持っています。


DOUBLE TROUBLE LIMITED社は、GOTCHA ENTERPRISESという別の会社を傘下に収めています。

HIDE-MONEY LIMITED社、DOUBLE TROUBLE LIMITED社、GOTCHA ENTERPRISS社の間で何百万ドルもの大金が取引され、お金の本当の持ち主から離れたところで取引が行われます。

例えば大企業が土地を購入する際に、不動産屋に大金をふっかけられないように、身元を隠すためにオフショア企業を使うこともあります。

パナマ文書によって、国家の独裁者や政治家、財政担当者、その他の脱税者が大金を隠すためにオフショア企業を使っていたことが明らかになっています。

税務署や法執行機関は、本来は徴収できるはずだった税金を取り逃していたことになり、今後は税金徴収を厳しく行うという動きにつながっていくと見られます。

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